ベトナムの結婚式のシーズンは涼しい季節に行われます。秋から春にかけて結婚式が行われますが、冬は特に結婚式が多くなります。

ベトナムには54の民族があります。最も人口が多いのはキン族です。今回は、ベトナムの北部でのキン族の結婚式をご紹介します。

経済の発展に伴い、ベトナムでは今、自分たちで結婚式のスタイルを選ぶカップルが増えつつあります。
北部でのキン族の結婚式は近代的なスタイルが多くみられます。「家がそれほど大きくない」「周辺に集まれる空間がない」また「シンプルなスタイルで行いたい」などの場合、レストランで結婚式を行います。一方、自宅が広く、周辺に出席者が集まれる十分な空間がある場合や「親しい人に一人でも多く出席して頂きたい」「時間を気にせず、結婚式を行いたい」などの希望がある場合は家で行うことが多くなります。

北部・バクザン省で行われた結婚式を例に、結婚式までの「歩み」をご紹介しましょう。
新郎、新婦の家族は結婚式までに最低二回、両方の家族で話しをします。最初は、新郎(男性)の家族が新婦(女性)の家族を訪問し、二人の交際について説明します。将来、結婚式に“進める”ように、丁寧に説明し、女性の家族から意見を聞きます。
女性の家族が喜んで結婚に同意すれば「婚約式」と「結婚式」の日程についての話し合いになります。カレンダーで「良い日」を選び、日取りを決めますが、結婚に同意したら、あまり式までに「時間を空けない」場合が多いようです。

婚約式の贈り物には「キンマ(コショウ科の植物)の葉」と「アレカ(ヤシの仲間)の実」が欠かせません。(夫婦についての昔の伝記によるものです)。他の贈り物は新郎(男性)の家族の考えにより決まります。タバコやお酒・ビール、果物、お菓子、煮た鶏なら一羽、生きた鶏なら雄と雌それぞれ一羽ずつ、焼き豚や紅茶などが多いようです。

家で「婚約式」や「結婚式」を行う場合は親類やお客様に「お礼の食事」がふんだんに振る舞われます。地方によって、料理の種類は違います。家で行う式は用意などが大変で疲れる面もありますが、楽しく、親しみを感じると思います。

この時期、あちらこちらで結婚式を見かけることができます。幸せな気分になれます。また、どこか懐かしく、嬉しさと嫁ぐ花嫁への寂しさも感じさせてくれます。人々の深い愛情を結婚式は感じさせてくれます。