ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席が日本の国会で演説 1

国賓として日本を訪問しているベトナムのチュオン・タン・サン国家主席は18日、日本の国会で演説した。この重要な演説を読者の皆様にお伝えします。

 

掲載にあたり、NewsLinerに対して、格別のお力添えを頂いた皆様に改めて御礼申し上げます。

 変化する世界に適応するためにイノベーション(革新)とクリエーション(創造)

(2014年3月18日に日本の国会でベトナム社会主義共和国チュオン・タン・サン国家主席の演説)

こんにちは。
伊吹文明・衆議院議長閣下
山崎正昭・参議院議長閣下
安倍晋三・内閣総理大臣閣下
内閣閣僚閣下
両議院議員各位閣下

本日、アジアで最も長い歴史を持ち、125年にわたり大切な役割を果たしている日本の立法機関である国会で、スピーチをさせて頂き、光栄に存じます。ベトナム国家と人民を代表して、皆様及び日本国民の皆様に対して、最大の友好的な感情と祝福の言葉をお送り致します。

わたくしは桜が美しく咲く季節の直前に来日致しました。3年前の2011年3月に起こった東日本大震災からの復興の成果を拝見することができて、大変喜ばしく思います。

2011年6月に来日した時に、日本人の一人ひとりに、故郷を再建し復興させる決意を感じました。日本人の精神・規律性・助け合いは世界中に伝わり、人々を感心させました。ベトナム人にとって日本という国は試練から勇気をもって立ち直り、困難に負けず前向きに進み続ける国民です。地震、津波という大災害に遭った日本のそばには、災害による日本人の苦しみを自分の苦しみと見なし、同情するベトナムがいつも居ます。

2013年に両国は国交樹立40週年の記念行事を盛大に実施しましたが、両国交流の歴史は40年以上に深いものです。8世紀には、高僧・仏哲が雅楽や仏学を教えるため、ベトナム中部から来日しました。仏哲は奈良県の大安寺に住み、さまざまな文化を伝えました。また、400年前、日本の商人は、商業のためベトナムのホイアン市を訪れ、日本町を建てました。17世紀の初期、阮朝のグエン・ホアン王は徳川 幕府に交易を希望する公文を何回も送りました。さらに19世紀後期の日本の明治維新成功は、20世紀の初期に「日本へ学びに行く」というベトナム人愛国者の「東遊運動」のきっかけになりました。ファン・ボイ・チャウ(潘佩珠)と浅羽佐喜太郎(氏)の友情は、素晴らしい出来事の一つです。

両国は地理的に隣同士ではありませんが、共通点の多い文化や交流の深い歴史が両国親善関係の持続的な発展に繋がっています。

ご臨席の皆様、

私たちの地域と全世界には色々な著しい変化が見られています。グローバリゼーションの進展と多層な経済連携傾向は、21世紀にアジア太平洋が世界の新しい中心になるよう多様な機会や展望を生み出しています。2008年‐2009年世界(金融)危機の後、私たちの地域は世界経済を回復・発展させるために原動力の役割を引き続き果たしています。同時に、各地域や全世界において持続的・環境保護・知的ベースに発展出来るように発展モデルの更新及び経済再構造が進められ、顕著な傾向になっています。従って「変化する世界に適応するためにイノベーションとクリエーション」は、ベトナムと日本も例外とはならない各国の“当り前の選択”となっています。この考えは本日皆様と分かり合いたいものです。

我々は日本政府が行っている大切な改革に関心を持ち、安倍首相のアベノミクス政策が成功し始め、貴国(日本)を大震災から復興させていることに対し、喜ばしく思っています。これらの決定的な政策は貴国の伝統になっている対応力・創造性を示す他に、日本国会や政府の素晴らしい務めを証明しています。日本は経済大国です。日本経済の復帰・発展はアジア・太平洋地域の繁栄につながります。ベトナムは日本が成功しますように、と奨励し確信します。貴国の成功はベトナムの経済の再構造・成長モデル更新にとって貴重な経験になるはずです。

その2へ続きます