ズン首相、欧州委員会委員長と会談 協力強化で一致

ベトナムのグエン・タン・ズン首相は13日夜、欧州委員会本部(ブリュッセル)で、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長と会談し、ベトナムと欧州連合(EU)の全面的な協力関係の強化などについて討議した。

ズン首相はベトナムとEUのこれまでの協力関係を高く評価。ベトナムとEUがパートナーシップ協力協定(PCA)を早期に批准することで、ベトナム・EU間の自由貿易協定(EVFTA)の正式調印につながるとの期待を示した。また、調印時に、EUがベトナムを市場経済国と認めるよう要請した。

一方のバローゾ委員長も、ベトナムの経済・社会発展を高く評価し、両国・地域の積極的な関係の発展を歓迎した。また、ASEANとEUの協力関係の一層の強化への希望を表明すると共に、地域安全保障事業におけるASEANの中核的な役割を支持することを約束した。

双方は、東海(南シナ海)における安全保障と航海・航空の自由を確保する必要性を強調した。バローゾ委員長は、国際法、特に1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、平和的な手段での紛争解決を支持するというEUの立場を改めて強調した。加えて、「南シナ海に関する行動宣言(DOC)」や「南シナ海における行動規範(COC)」を早期に制定するよう呼びかけた。

会談後、両首脳は、2014~2020年期のEUのベトナムに対する4億ユーロの支援に関する調印式に出席した。また、双方のFTA交渉に関する共同声明を発表した。