農業で日越協力を 茨城県知事インタビュー

ベトナム・エコノミック・ニュースはこのほど、ベトナムを訪れた茨城県の橋本昌知事に日本とベトナムの農業協力について、インタビューした。

ベトナム訪問の目的は?
ベトナムと茨城県は、ともに農業先進地としてアドバンテージがある。ベトナムには、豊富な農作物があり、コメの輸出余力もある。そして茨城県には、とりわけコメの品種開発における最先端の農業技術がある。両者それぞれの利点をいかし、互いにとって重要な役割を果たすことができる。ベトナムは、茨城県との協力によって将来にわたって持続可能な農業が可能となる。ベトナムの経済は急成長している。この追い風を受けて、われわれはさまざまな産業分野においてその製造や貿易、食品技術、人材、技術移転などの協力関係を提供することができるのでは、と模索している。

茨城県は農業先進県ですが、ベトナムがお手本にすべき点は?
茨城県は、生産から加工にいたるまで食の安全性に重点を置いている。さらに、流通関係者も最良のパートナーと位置付けている。流通や小売りの現場からの声は、消費者により適した製品を届けるため、製品の仕様変更や品質改善を促すよい参考になる。また、持続可能な農業のためには、農家が安定した収入を得ることができなくてはいけない。茨城県では、農家が収入に関して安心できるように、さまざまな施策を模索している。

ベトナムはハイテク農業の面では立ち遅れている。協力の過程で茨城県からベトナムに、どのような技術移転が可能か?
ハイテク農業には、屋外の農地での栽培とハウス栽培の双方がある。技術移転のために、ベトナムから温室でのモデル栽培事業を学ぶ研修生100人を茨城県に受け入れる計画が両国で進められている。さらに、茨城県やつくば市には科学技術研究所や、農業研究所が集積している。これらの施設がベトナムをはじめとするパートナーに技術移転をするうえでの拠点となる。また、ベトナムへは、生産だけでなく流通、加工の小売りの代表団を送ることになるだろう。