すそ野産業育成政策に期待 JETRO

ベトナム・エコノミック・ニュースは、日本貿易振興機構(JETRO)ホーチミン事務所の安栖宏隆所長に、ベトナムのすそ野産業の現状や課題について聞いた。

─ベトナムのすそ野産業をどのようにみるか?

安栖 JETROの調査によると、2014年は、ベトナムに投資する70%の日本の企業が生産や企業活動の拡大をしようとしている。この数字は、インドネシア(66.4%)、タイ(66.2%)、マレーシア(51.6%)よりも高い。しかし、ベトナム国内市場におけるすそ野産業の不足が、日本企業にとって、大きな問題となっている。JETROの調査では、ベトナムでの日本企業の部品調達率はわずか32%で、中国(64%)、タイ(53%)に大きく水を開けられている。すそ野産業不足のために、日本企業は必要な予備部品を、近隣国から調達しているのが現状だ。これが企業の利益や競争力の低下に影響している。一般的に言って、ベトナム国内のすそ野産業は、直接投資を行う国々、特に日本のニーズをまだ十分に満たしていない。

─すそ野産業の発展の阻害要因は何か?

政策が企業のニーズと、うまく適合していない。ベトナムのすそ野産業はまだまだ発展の余地がある。たとえば、投資したいと思っていても、資金が不足している場合、まず高金利に直面する。製造業の立場からすると、年利8~10%の水準では、なかなかやっていけない。年利1~3%程度の優遇制度が必要だ。

─ベトナムのすそ野産業の発展のため、JETROでは何かよいプランはないか?

JETROでは今、国営企業と民間企業の協力をコーディネートすることを計画している。また、人的資源の育成や日本企業との密接な関係による、ベトナム企業への技術移転を促進している。