期待されるベトナムの高級車市場 BMW好調な売れ行き

BMWアジアグループは、シンガポールやインドネシア、ブルネイなど東アジアの14の地域で事業を展開している。その中でもベトナムは、特に重要な市場となっている。ベトナムでは2013年にBMW車が1000台売れ、東アジア地域で売れたBMWの10%を占めた。

ベトナムのBMW総代理店、ユーロオート(Euro Auto)のホルスト・ヘルドルCEOは「この数字が、ベトナムがプレミアムカーのホットでビッグな市場であることを物語っている」と話す。

ベトナム市場の潜在力

「2013年の市場は、高級車にとって厳しかったが、BMWはプレミアムカーの中で唯一台数を伸ばした」とヘルドル氏。2014年8月現在のベトナムの新車登録台数は前年比35%増の14万5000台が見込まれている。また、1-9月にベトナムに輸入された完成車(CBU)は、金額ベースで前年比90.7%増の800万㌦以上に上っている。

ヘルドル氏は今、市場の成長するチャンスが訪れているとみる。理由としては、ベトナム経済の再生と成長、金融の安定、政府の動向、ラグジュアリーカーに対する需要の増加、不動産市場の回復などを挙げる。ヘルドル氏はまた、完成車に対する60%もの高い税率など、市場が成長するためには、まだまだ制度的に未整備な点があることについても指摘した。

ブランドイメージの浸透を

ヘルドル氏は、BMW車がベトナムの顧客に愛されていることを誇りに思っている。BMWは2013年6月、ショールームやサービスセンターなどが入る6000平方㍍の新ロンビエンセンターをオープンした。さらに、2014年5月、初のミニのショールームをハノイにオープンした。8月のBMWワールドエキスポ2014 イン ハノイでは、BMW(モトラッド)製のバイクが初めてベトナムの人々に紹介された。

「2014年の第3四半期には、スペシャリティーカーを扱うBMW Mのショールームもホーチミン市にオープンしたほか、北部のユーザーのニーズに応えるため、ハノイの車体、塗装工場もリノベーションしました。私たちが目指しているのはロールスロイス級の手厚いサービスです。今後、さらに、努力を続けて、新しいブランドや製品、サービスを市場に紹介するとともに、中部でのネットワーク拡大計画も進めていきたい」

ヘルドル氏は、今後の成否のカギを握るのは製品ラインナップの拡大にあるとし、クーペからセダン、コンバーチブル、ロードスターにいたるすべてのラインナップに共通するメイド・イン・ドイツのクオリティーが、必ずや顧客の満足を得ることができると確信している。さらに、顧客に期待以上の満足感を与えるアフターサービスの充実や顧客情報管理システムの構築にも力を入れている。

「私たちは、常に顧客満足度の改善を心がけており、熟練したチームとエキサイティングによって今まで以上の成果を上げていくと確信しています。来るクリスマスと新年向けのキャンペーンでは、顧客が夢の車を購入するのを、さまざまなサービスによってサポートします」とヘルドル氏は締めくくった。