ズン首相、ASEAN首脳会議などに出席

ベトナムのグエン・タン・ズン首相は11月22日、マレーシアのクアラルンプールで開かれていたASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議や、ASEANと日本、韓国との首脳会議などに出席した。ズン首相は首脳会議で東海(南シナ海)の軍事化に懸念を示し、一帯の平和と安定の維持を呼びかけた。

写真㊤=ASEAN-日本首脳会議に出席するズン首相とベトナム代表団
ASEAN-日本首脳会議では、ASEAN各国指導者らが、2013年にASEAN友好協力関係40周年を記念して発表された「日・ASEAN友好協力に関するビジョン」の成果を評価した。

経済協力面では、日本は現在ASEAN第3位の貿易パートナー国となっており、貿易金額は2014年に2290億ドルに達した。また、投資でも第2位で、総投資金額は234億ドルにのぼる。

ASEANと日本は、さまざまな分野での協力を約束。2022年までに双方の間での貿易を倍増させる計画や、日本とメコン流域各国の協力方針として採択された「新東京戦略2015」を通じた各地域との協力促進などが確認された。

 

一方のASEAN-韓国首脳会談では、2011~2015年の行動計画が評価され、2016~2020年の新たな行動計画に対して期待が示された。韓国は2010年以降、ASEAN第5位の貿易国で、投資でも第6位と躍進している。2020年には、相互貿易の金額を2000億ドル規模に引き上げることを目標にしている。


ASEAN-韓国首脳会議の様子


東海(南シナ海)の平和と安全保障に協力求める

領有権問題に揺れる東海(南シナ海)などの国際問題について、ズン首相はASEAN首脳会議で発言し、「地域の平和と安全保障、地域の安定は、さまざまな新たな課題に直面する状態となり、ますます重要になっている」と強調した。

ズン首相はまた、「複雑な状況のもとで東海が軍事化している現状は、国際コミュニティに深い懸念を与え、緊迫を高めている。これは、アジアの信頼を失わせるとともに、一帯の平和と安定の脅威となっている」と指摘。地域安定のために、各国が国連海洋法条約(UNCLOS)に従って、軍事利用しないよう呼びかけるとともに、南シナ海に関する行動宣言(DOC)に効力をもたせ、早期に南シナ海における行動規範(COC)を確立させることを求めた。