ベトナムのグエン・タン・ズン首相は、12月31日のASEAN(東南アジア諸国連合)共同体発足を祝って演説した。首相は、「ASEANの過去50年間にわたる各国の一致共同の成果だ」などとその意義を強調し、今後も地域の発展と統合に貢献していくことを約束した。

演説では、世界各国との関係を多様化させるというベトナムの外交方針や、それを反映してASEAN活動にも積極的にかかわってきた歴史にも触れ、「今必要なのは、ベトナムが内に秘めた力と改革力を促進させ、ASEAN共同体とうまく統合を果たすことだ。持続可能かつ迅速な発展力というベトナムの利点を最大限に活用し、努力を倍増させる必要がある」と国民に呼びかけた。

ズン首相は、「加盟各国が地域内の平和と安定、繁栄のために結束と協同をさらに高めようという共通認識と強い決意のあらわれだ」と共同体発足を評し、昨年11月のASEAN首脳会議で合意した「ASEAN共同体ビジョン2025」の具現化に向けて、ベトナムが各国と協力し、貢献することを約束した。ビジョン2025は、共同体が加盟各国の結びつきを深め、域内住民の利益を優先させる組織となるための具体的指針となる。

ベトナムは、ASEANに加盟後の20年間、積極的、行動的に加盟国としての義務を果たしてきた。特にドイモイ政策のもとでのベトナムの社会や科学の進歩は目覚ましく、ASEAN地域の国際的地位を飛躍的に引き上げることに寄与し、その貢献は地域内外の諸外国にも認められている。