米ASEAN首脳会議 出席のズン首相、米国到着

アメリカを訪問しているベトナムのグエン・タン・ズン首相と代表団は14日(米国時間)、カリフォルニア州パームスプリングス市に到着した。ズン首相は、15、16日の2日間にわたって開催される米ASEAN首脳会議に出席する。

写真㊤=在米ベトナム大使や米国政府代表団らの歓迎を受けるズン首相
ASEAN首脳会議が米国で開催されるのは、今回が初めて。アジア政策に力を入れるオバマ米大統領の招待で実現したもので、米国とASEAN(東南アジア諸国連合)双方がお互いを戦略的パートナーとして重要視していることの表れとなった。昨年12月31日のASEAN共同体の発足後初の首脳会議でもあり、特別な意味をもつとされる。

会議では、ASEAN-米国間の戦略的パートナーシップ確立の手法や方向性などが話し合われるとともに、安全保障などの地域的な課題、また国際的な関心事などが議題となる。ベトナムは、ズン首相の出席により、今回の会議でASEANにおける積極的な姿勢を維持し、域内の一員としての責任を果たしていく考えだ。

経済、科学技術、教育や人材育成、人材交流、国境を越えた課題への挑戦などさまざまな分野におけるASEAN諸国と米国との関係強化が会議の最大のねらいとなる。ベトナムは、ASEAN諸国と米国の協力を率先して確立し、加盟各国との交流の充実や拡大を図る。さらに、域内での平和や安全保障の維持などで、今後も重要な役割を担っていく。

ベトナムにとっては同時に、ベトナムと米国の2国間の関係強化の好機でもある。特に、防衛や安全保障、科学技術や経済の発展、外国資本投資、環太平洋経済連携協定(TPP)を含むさまざまな自由貿易協定の実施について、両国で意見交換をもつ考えだ。ズン首相は、オバマ大統領と、貿易や経済、政治、安全保障などについて意見交換する予定。また、ズン首相は複数のASEAN首脳らとも2国間会談を行うという。