日本のベトナム向けODA過去最高に

ベトナム計画投資省はこのほど、2015年度(2015年4月~16年3月末まで)の日本政府によるベトナムへのODA供与が、3000億円(25億ドル)に達するとの見込みを明らかにした。この金額は過去最高という。

同省によると、1992年に再開された日本からの政府開発援助(ODA)は、累計約2兆6000億円(約220億ドル)に達した。日本はベトナム向けの最大のODA提供国となっている。

日本の深田博史駐ベトナム大使によると、ベトナムへの日本政府のODAは、ハノイ都市鉄道をめぐる汚職事件の影響で2014年に一時中断したが、その後は以前の水準に戻ったという。

両国は1月16日にも外交文書に調印し、950億円のODA供与が決定。ベトナム南北縦断高速道路のダナン-クアンガイ間の開発(事業費約300億円)や、ハイフォン市ラックフェン港周辺のインフラ整備(322億8700万円)、温暖化など気候変動の対策費(約100億円)などのプロジェクトが含まれる。

調印式で、ベトナムのブイ・クアン・ビン計画投資相は「今年度3000億円を越えるODAを実現するため、ベトナムと日本両国の政府機関が今年3月31日の年度末までに複数のプロジェクト調印を準備している」と述べた。また、ODAの対象となるプロジェクトとして、ホーチミン市の水道関連事業やタイビン火力発電所建設などを挙げた。

ビン大臣は「日本のODAの成果は、ベトナム各地で、地域を代表する建築物や大規模開発として目にすることができる」と話し、ベトナム南部のカントー橋、北部のハノイ-ハイフォン高速道路、首都ハノイではニャッタン橋、ボー・グエン・ザップ通りの整備、ノイバイ国際空港2期工事などをその活用例として挙げた。

また、「日本のODAを活用したプロジェクトはベトナムの経済や社会発展に貢献しただけでなく、海外直接投資(FDI)の誘致にもつながり、ベトナムの国際化を後押しした。ベトナムは1円も無駄にすることなく、ベトナム発展のためにODAを効果的に活用したい」と述べた。