ファム・ビン・ミン副首相「日本は筆頭パートナー」 日本の岸田外相と会談

ベトナムを訪れた日本の岸田文雄外相は5日、ファム・ビン・ミン副首相兼外相と会談した。ベトナム側は日本を「協力の筆頭パートナー」として、日越の長期的な協力体制などを話し合った。

日本の岸田首相と握手するファム・ビン・ミン副首相=㊨=5月5日、ハノイ、ベトナム政府迎賓館
会談に先立ちミン副首相は、4月に熊本県で発生した大地震で家族や住居を失った方々へのお見舞いを伝えた。岸田外相は、「ベトナムの政府や市民が、日本と悲しみを共有してくれていることを感謝する」と述べた。

会談では、ベトナムと日本の間の経済促進や人材交流などが話し合われ、これまでの日越の強固な相互理解や戦略的パートナーとしての重要性などが再確認された。日越間での投資促進や安全保障が日越で話し合われたグエン・フー・チョン書記長の訪日(2015年9月)の成果が評価されたとともに、両者でその具体化の手法などを話し合った。また、グエン・スアン・フック首相が、今月末に日本で開催される主要国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)に合わせて来日し、日本の安倍晋三首相と二国間会談などを開催する予定などについても詳細を打ち合わせた。

両国は、今後も定期的に相互訪問し、特に高級事務レベルでの対話を継続することなどで一致。岸田外相は「日本はベトナムとの関係を重要視しており、日本とベトナムの間の戦略的パートナーシップをさらに実効性のあるものとして強化していきたい」と述べた。また、安全保障の分野では、国連(UN)主導の平和維持活動などで、ベトナムと協力を続けることや、不発弾の処理などを展開することなどで合意した。

アジアの地域的な国際問題に関しては、国連やアセアン、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、アジア欧州会合(ASEM)などとの連携を強調。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や環太平洋経済連携協定(TPP)などとの連携協力を推し進めるとした。

経済面での交流や投資促進に関しては、ベトナム側はベトナム南北を縦断する高速道路など、インフラ整備への日本の協力を求めた。岸田外相は、ベトナム南部での干ばつや塩害の被害を受け、気候変動対策などでの協力を申し出た。