米国務省、オバマ大統領の訪越の詳細発表

米国務省は、バラク・オバマ大統領のベトナム公式訪問の日程(5月22~25日)や、ベトナム首脳陣との会談予定などを発表した。米国家安全保障会議(NSC)のダニエル・クリテンブリンク・アジア上級部長らが会見した

それによると、両国の首脳らによる会談は、貿易、人的交流、安全保障、人権問題、さらには世界やアジア地域の問題解決など、さまざまな分野に及ぶといい、「米国とベトナムの包括提携を進めるための措置に焦点を当てる」と話した。

オバマ大統領は、公的な会談や面会などを通じて、米国とベトナムの幅広い分野に及ぶ連携の深さや、両国間関係のここ数年間の進展を浮き彫りにする予定だという。また、「環太平洋経済連携協定(TPP)が、両国の経済的協力を今後さらに刺激することになるだろう」との考えも示した。

安全保障のテーマに関しては、ベトナムとアメリカの両国は、国作法を順守しながらアジア太平洋地域における安全保障の改善に力を注いでいることにも触れ、「米国は今後も、人道的、人権的な視点からはもちろん災害援助、平和維持や海洋上の安全保障などの点から、ベトナムと協力を深めて行く」とした。今回の訪越で浮上した米国による武器禁輸の全面解除提示については触れられなかった。

同じ日、在ベトナム米国大使館でも会見が開かれ、東アジア・太平洋担当のダニエル・ラッセル国務次官補が、「ベトナムは、東海(南シナ海)における緊張や紛争を平和的な手法で解決したいと、海上において国際法を順守している国家であり、TPPのパートナーとしても米国の重要なパートナーだ」と話し、オバマ大統領の訪越の重要性を示唆した。

また、ラッセル氏は、「流域の国々やそこに暮らす数百万人もの人々の生活の糧となっている重要な国際河川であるメコン川の維持のうえでも、ベトナムは米国と連携を強化している」などと評価した。

オバマ大統領は、ベトナム戦争の終結(1975年)以降、ベトナムを訪問する米国の大統領は、クリントン氏、ブッシュ氏に続く3人目となる。ベトナム訪問後、オバマ大統領は日本での主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)出席のため日本を訪れる。