ベトナムと関係の深い日本の神奈川県の訪問団が、今月12日から4日間、ベトナムを訪問した。ハノイでは13日、ベトナムの観光関連企業を対象とした「神奈川観光セミナー」が行われ、神奈川県の旅先としての魅力などが紹介された。

同セミナーに参加した黒岩祐治・神奈川県知事は、「文化や観光など、日越は多くの分野で友好関係をはぐくんでいる」とあいさつ。特に神奈川県は、何年もの間、「ベトナムフェスタ in 神奈川」などの催しが続けて開催されており、何千人もの日本人の注目を集め、日本人へのベトナムのよいイメージの伝達に寄与してきたことに触れ、「ベトナムと神奈川県の間の観光促進によって、今後、両者の関係ががさらに深まるだろう」と期待を語った。


セミナーであいさつする観光総局のハ・バン・シエウ副局長

一方、観光総局のハ・バン・シエウ副局長は、「ベトナムは、日本のことを常に重要な観光市場のひとつとみなしてきた。今後ますます、両国の観光交流が増えだろう」とあいさつ。2016年にベトナムを訪れた日本人観光客は74万人(前年比10.3%増)、日本へのベトナム人観光客の数は23万3800人(前年比26%増)と最近、両国の観光客が右肩上がりで推移していることを披露した。

訪越する日本人観光客を優遇するため、ベトナム政府は2003年から、日本人の15日間以内の訪越はビザ免除とした。シエウ観光局副局長は、「日本側も、ベトナム人向けの観光用ビザ免除を実現できるよう、ぜひ規制を緩和してもらいたい」と要望した。

神奈川県側のプレゼンテーションでは、東京に隣接する神奈川県の多くの観光資源のほか、自動車や電車などで、東京からの交通アクセスが良いことも紹介された。観光名所としては、箱根温泉、古都鎌倉、四季ごとの景色が楽しめる三渓園、鎌倉の大仏像、鶴岡八幡宮、ラーメン博物館などが挙げられた。また、日本最大とされる横浜港も紹介された。このほか、富士山や江ノ島などの自然、伝統的な祭り、食文化などもアピールした。

神奈川県はベトナム人在住者が多く、これまでも積極的にベトナムと交流してきた。フンイエン省の工業団地内には「神奈川県インダストリアルパーク」を設置し、中小企業のベトナム進出も支援している。

訪越中、黒岩知事らはグエン・スアン・フック首相と会談。同県が運営協力するハノイ医科大学などを視察したほか、ベトナム企業関係者らとの懇談なども行われた。