ベトナムのグエン・フー・チョン書記長 インドネシア、ミャンマーを訪問 両国との関係、あらゆる分野で新たな高みへ 2

ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、8月22日から24日までインドネシアを公式訪問、24日から26日までは、国賓としてミャンマーを訪れた。ベトナムにとってインドネシアとミャンマーは、東南アジア諸国連合(ASEAN)内の重要なパートナーであり、ASEAN設立50周年を記念し、ベトナムのASEAN加盟から22周年を迎えたこの時期の訪問は、両国との関係において基盤の強化を図るとともに、多国間の枠組みに準じる協力関係を促進させる狙いがあった。

ベトナムとミャンマーの関係に新たな原動力をもたらす

チョン書記長はミャンマーのティン・チョウ大統領の招きに応じて、国賓として同国を訪問した。今年は両国の国交樹立から42年、ベトナムがミャンマーで最初の代表事務所を開設してから70周年の節目に当たる。現在、ベトナムとミャンマーの関係はチャンスと有利な条件がある新たな段階を迎えている。チョン書記長の訪問は、両国の様々な分野での協力関係が効果的で実質的なものになるための新たな原動力となる、と評価されている。

ベトナムとミャンマーは農業、水産業、金融、航空、通信、石油・ガス、鉱物の採掘、電気設備の生産、自動車の組み立て-など12分野で協力関係を維持している。ベトナムは、20億米ドル以上に上る50件の投資をミャンマーで行っており、海外直接投資(FDI)国としては7位(2年前は10位)、貿易相手国では9位になっている。

今回の訪問で、チョン書記長とチョウ大統領は両国関係において「全面的協力のパートナーシップ」の枠組みを確定することで合意した。また、政治関係について、最高指導者をはじめ多くのレベル(党、政府、国会、地方行政など)で関係を強化するとともに、両国の人々、青少年の交流などを促進することを申し合わせた。

また、国防・安全保障の協力については、早期に国防省次官レベルと参謀部副長官レベルで国防政策の対話を行うための枠組みづくりや局長レベルの合同作業チームの枠組みの創設▽国防に関する工業、企業の協力、人材育成での協力強化▽情報・意見の交換▽国際会議特に、ASEAN国防相会議などで互いを支持すること-などで合意した。

さらに、メコン川の水源を効果的かつ持続的に活用し、メコン地域の国を含む地域の発展や繁栄に貢献するため、メコン川流域の「大メコン圏」(GMS)や東西経済回廊(EWEC)地域における経済協力組織での情報・意見交換を引き続き行うことでも一致した。

チョン書記長とチョウ大統領は、ベトナムとミャンマーはそれぞれの役割を引き続き発揮し協力するとともに、ASEAN内の団結を維持し、ASEAN共同体の目標の実現、地域の平和、安定に貢献できるようにASEANの他のメンバーと密接に連携していくことの重要性を強調した。

ASEANにおける積極的な協力

インドネシアは1967年に東南アジア諸国連合(ASEAN)を創設した国の1つであり、1980年代にはカンボジアの問題解決にも努めた。また、ASEANの第1回首脳会議の議長国を務め、この会議で東南アジア友好協力条約(TAC)が結ばれた。この条約は、地域内の協力にとって、基礎的で長期的な要素になった。ミャンマーは1997年にASEANに加盟、2012年の市場開放以来、海外からの投資誘致などを目指して、経済改革を続けている。2017年-2020年の方針では工業の発展を重視し、ASEANの経済共同体の優位性を活用して、海外直接投資(FDI)の誘致に重点を置いている。

ベトナムにとってインドネシア、ミャンマーは東南アジア地域における重要なパートナーで、グエン・フー・チョン書記長の訪問は、それぞれの国との関係基盤の強化さだけでなく、多国間での協力の枠組みに準ずる協力関係を促進させる狙いがあった。

今年はASEAN設立50周年であることから、その形成と発展の道のりを振り返りながら、それぞれの国にとって有意義な教訓を見出し、地域の持続的な発展に繋がる新たなビジョンや政策を策定する好機になるだろう。「ベトナム・インドネシア」、「ベトナム・ミャンマー」をはじめ、ベトナムとASEAN諸国との協力関係をより深めるためには、利益や共通の価値を分かち合うこと、ASEANが「結合性のある組織」であることが重要になる。

ASEANがこれまで、成功のうちに存在を維持できたのは「独立、自立」、「団結、統一」を維持し、地域協力の場において「中心的な存在」であり続けたこと「意見交換」と「合意」の方針を堅持してきたことによるだろう。ASEAN内の連携強化と地域外の国、組織との関係の拡大は、ASEANに加盟する国々にとって最も需要な利益になるだろう。