ホーチミン市で「ベトナム政府機関と関西企業との対話会」 関経連、計画投資省

関西経済連合会(松本正義会長)とベトナム計画投資省外国投資庁が主催した「第2回ベトナム政府機関と関西企業との対話会・交流会」が9月21日、ホーチミン市で開かれた。

この会合は昨年9月、ハノイ市で開催されている。今回は関経連国際委員会の奥田智副委員長、計画投資省外国投資庁のダン・スアン・クアン副長官、ベトナム天然資源環境省のメンバーら、日本側が約35人、ベトナムからは約20人が参加した。

「ベトナムの投資関連政策とビジネス機会」についての協議では、クアン副長官が「ベトナムは海外の投資家にとって魅力的な存在と言える。高い経済成長率を維持し、国営企業の民営化が進んでいる。ベトナムの工業化・近代化のプロセスには日本企業が大きく貢献しており、日本とベトナムの特別な要素として、信頼関係がすでに構築されていることがある」と述べた。

奥田副委員長は、自社の海外進出の経験を踏まえながら「中小企業が海外に進出する際には、交渉時の語学力や現地での投資環境の変化などに適応できる能力が欠かせない。ベトナムの投資環境は充実しているが、進出する前の相談や申請から実際に稼働するまでの問題点解決にワンストップで対応できる機関が重要だ」などと指摘した。

また、関西の企業から、自家用車の増加に伴う都市部での渋滞激化が、物流の課題として挙げられ、ベトナム政府の交通・都市政策について質問が行われた。

これに対して、クアン副長官は「ワンストップの行政手続きについては、計画投資省に主な責任があるが、工業団地では管理委員会が行政手続きを行っている。2015年7月から、オンラインで申請・登録手続きが可能になったが、それ以前に設立した会社はあまり利用しておらず、2018年にはより多くの企業がオンライン手続きを活用できるようにしたい。投資家によって必要な政策を常に検討している」。交通政策の質問には「大都市での渋滞問題を解決するために、都市部で個人の車の利用を減らすことも検討している。その一方で、公共交通を整備してゆきたい。公共交通網は都市や製造施設、港湾などを結ぶ方針だ。車両や鉄道、航空機による物流を発展させたい」と述べるなど、日本側の質問に対して可能な限りその場で回答する姿勢を示した。

続いて「環境分野における日越間の協力強化」について協議が行われ、天然資源環境省の代表から、農村部は大都市に比べてゴミの回収率が低く50%前後であることや、ハノイやホーチミン市で試験的に行われたごみの分別が、市民の理解が得られず協力が少なかったことなどが報告された。関西の企業からはベトナムでは初の産業廃棄物発電技術実証事業や工業団地での企業活動に欠かすことができない産業排水処理への取り組みについてプレゼンテーションがあった。