フック首相、米ボーイングCEOと会談 インフラ整備や人材育成に協力を要請

グエン・スアン・フック首相はハノイで2日、米ボーイング社民間航空機部門(BCK)のケビン・マカリスターCEO(最高経営責任者)と会談した。フック首相は、同社に投資面などでの優遇を約束し、パイロットの育成施設開設などの協力を求めた。

会談でフック首相は、世界最大の航空機メーカーであるボーイング社に対し、「長期的で戦略的な計画に基づき、効率化などのさまざまな側面から、ベトナムの航空業界を支援してもらいたい」と要請した。その一環として、近い将来開設する予定のパイロット養成訓練施設の運営でも、支援を求めた。一方で、ボーイング社がベトナムでの投資を拡大し、協力しやすいように、ベトナム国内での優遇措置を約束した。

フック首相は、「国有企業であるベトナム航空はすでに多くのボーイング機を購入しているが、両国関係が拡大するなかで、今後、(訓練施設への支援が)ボーイング社とベトナム航空業界の協力における新章を開くことになる」と語った。

ベトナム航空は、英国やオーストラリアへの直行便運航をすでに開始。米国への直行便運行も、約10年前から模索してきた。現在、米国の運輸省に就航を申請中で、安全基準などの承認が順調に得られれば、2018年じゅうにも運行が実現する予定。

一方のマカリスターCEOは、ベトナムの社会や経済の発展、とりわけ航空業界の成長の速さに驚きを示し、「今後ベトナムが、ボーイング社の航空機部品供給パートナーになれる可能性がある」などと語った。さらに、ベトナムに最高品質の航空機を提供し続ける一方で、「航空関連のインフラ整備や航空機の品質向上などのために、米国から喜んで専門家らを派遣する考えだ」とした。

国際航空運送協会(IATA)の報告書によると、ベトナムの2014~2017年の航空市場の成長は世界第7位。航空移動の増加から、ベトナムをはじめアジア太平洋地域では今後20年間で、約21万人のパイロットの新規需要が予測されている。