クアン国家主席、APEC首脳会議のリハーサルを指揮 ダナン

ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席と夫人は29日、今月6日に開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)の準備状況の視察のため、首脳会談の開催地であるベトナム中部ダナン市を訪問した。クアン国家主席は、実際の会場で行われた首脳会議の事前リハーサルを指揮し、最終チェックを行った。

リハーサルが行われたのは、APEC首脳会議のほか、企業経営者や経済団体関係者らが集うAPECビジネス・サミット、各国首脳らによる二国間対談やAPECビジネス諮問委員会(ABAC)などの会合。実際の会場となる場所で、シナリオに沿って、本番さながらに展開された。

また、公式の歓迎式典や晩さん会、各国の記者を対象にした記者会見なども、入念なリハーサルが行われた。

公式行事以外にも、期間中は各国地域の政府高官会談や、ファーストレディーらを対象としたさまざまな文化活動も予定されており、これらの準備やチェックも行われた。宿泊先となるホテルや会議場、国際プレスセンターなどの主要施設の準備も整えられた。

リハーサルに続く会議では、クアン国家主席は、ベトナムAPEC2017運営事務局や傘下の小委員会のメンバーら、ダナン市や隣接するクアンナム省の行政担当者、各省庁や出先機関、地域関係者や企業などに向けて、これまでの準備やすでに行われたAPEC関連行事などの苦労をねぎらい、感謝の意を伝えた。

そのうえで、クアン国家主席は、「ベトナムでのAPECが成功するであろうと、すべてのAPEC参加国・地域が、わが国に信頼と期待を寄せてくれている」と語った。東南アジア地域含め世界各地で、複雑な安全保障面の課題がある現状にも触れ、来賓らの安全確保の徹底を指示した。

一方で、外務省と関連部局、ホテルなどの施設や民間部門に対しては、来賓らに最高品質のサービス提供を要請。公衆衛生面では、関係当局に対して、不測の事態が起きた場合の対応を指示した。

11月6日からの一週間は、APEC首脳会談の開催を軸としたいわゆる「APECウィーク」で、ダナン市と隣接するクアンナム省で、さまざまな会議などが予定されている。一連の行事は、ベトナムが国際的な注目を集める、重要な国際イベントとなる。

期間中、APEC加盟の21の国と地域の首脳をはじめ、各国の代表団約1万人、経済団体や企業関係者ら約2000人などが、ベトナムを訪問するとみられている。また、一連の会議などはベトナム国内外の約3000人の報道関係者らによって世界に伝えられる。