幕あけたAPEC 2017リーダーズウィーク

アジア太平洋地域の経済発展などを話し合うアジア太平洋経済協力会議(APEC)の最終高級実務者会合(CSOM)が6日、ベトナム中部の沿岸都市、ダナンで開催され、首脳会議を中心とした「APECリーダーズウィーク」が幕を開けた。

6~7日の最終高級実務者会合では、議長を務めたベトナムのブイ・タイン・ソン外務副次官が参加各国の代表団を歓迎。「この1年、APECは、チャンスと困難の両方が訪れたが、協力の勢いを維持し、幅広い分野での課題について合意に至った。今年度の優先課題をさらに推し進め、APEC関連の実務を支えるなど、参加各国・地域はいくつもの重要な成果をあげることができた。各国・地域の積極的な参加によって大きな恩恵を受けることができ、おかげでAPECを思い描く方向に推し進めることができた」などと語りかけた。

2日間の会議では、今年1年間に開かれた複数の実務者会合で話し合われた、APECの目標やビジョンの実現に向けた努力と成果を総括する。また、閣僚会議(AMM)の共同声明や、首脳会議(AELM)の共同宣言などをまとめる。

「新たなダイナミズムの創出と共通の未来の促進」をテーマとしたAPECリーダーズウィークは、さまざまなイベントや会合などが予定されており、11日まで開催される。

昨年のAPECペルー2016からの課題を引き継ぎ、ベトナムで開催される今回のAPECでは、地域経済統合の深化▽持続可能で革新的かつ包摂的な成長の促進▽デジタル時代における零細・中小企業の競争力とイノベーションの強化▽気候変動に対応した食料安全保障と持続可能な農業の促進―が4本の柱とされた。

APECビジネス諮問委員会(ABAC)やAPEC―ASEAN非公式会談など、リーダーズウィークの主要な活動のホスト役は、チャン・ダイ・クアン国家主席が務める。このほか10日には、APEC首脳会議に参加する各国地域の首脳と夫人らを歓迎する公式式典、晩さん会や文化芸術鑑賞などが控えている。

ホスト国としてクアン国家主席は、11日のリトリートセッションで議長を務めるほか、8-10日に開催される予定のAPEC CEO(最高経営責任者)サミットで、開幕の演説を行う。

APECに加盟する21の国と地域からは、約1万人の代表団がベトナムを訪れ、さまざまな会合に参加する。また首脳会議では米国のドナルド・トランプ大統領をはじめ、中国の習近平国家主席、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領らが基調演説を行う予定となっている。