メコン川流域の貯水池管理など規制を提案 メコン川協力サミットで、フック首相

東南アジアの大河、メコン川の活用や保全などを流域国首脳らが話し合う「第2回メコン-ランカン協力(MLC)サミット」がこのほど、カンボジアのプノンペンで開かれた。出席したベトナムのグエン・スアン・フック首相は、上流で行われている農業や工業用水の取水が下流域の生態系などに影響していることを踏まえ、メコン川沿いの貯水池の運営管理に一定の規制を設けることなどを提案した。

写真㊤=会議に出席したベトナムのフック首相(左から2人目)

会議は、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、中国とベトナムの6カ国の流域国首脳らが出席した。2016年3月に中国で開催された第1回目の会合の内容を下敷きに、国際河川であるメコン川(中国名=ランカン川)での協力のあり方を探った。

フック首相は、これまでにベトナムが国際的な協力体制の確立に尽力してきたことを説明し、関係各国の社会経済の発展への貢献や地域の平和と安定、繁栄を促進する協力体制の実現に向けて方向性などを語った。

なかでも、メコン川の活用に関しては、「効果的で持続可能なやり方で活用すべき。水資源の保護、管理、活用において、関係各国が協力を推し進める必要がある」と発言し、一定の規制を設けることを提案。一方で、域内の商品や人の移動に役立つさまざまなインフラ整備についても呼び掛けた。

首脳らはこの会議で、鉄道や道路、港湾の整備を促進することを盛り込んだ2018年~2022年の「5カ年行動計画」を発表した。また、政府間の話し合いによってメコン川の水資源を持続可能なかたちで活用するとした「プノンペン宣言」を採択し、水質のモニタリングシステムの構築、各国間での情報共有や技術協力などの具体的な方法が話し合われた。