日本企業の投資歓迎、条件整備を約束 クアン国家主席来日

日本企業による海外資本投資(FDI)は、ベトナムの社会経済の発展や競争力改善の重要な促進力-。日本を公式訪問していたベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席は5月30日、東京都内で行われた日本の主要企業トップらとの会談でこのように語り、両国間の貿易や投資の発展に期待を寄せた。

クアン国家主席は会合で、インフラ建設や裾野産業の支援、ハイテク農業、エネルギー、環境保護、融資・金融業に加え、国営企業の民営化などの各分野における日本の投資について、「ベトナムにとってさまざまな利点をもたらしてくれ、いつも歓迎されている」と高く評価した。そして、日本企業が今後も投資を継続し、効率的、安定的にベトナム国内でビジネスを運営していくことができるように、「ベトナム政府は、日本企業を優遇する投資条件を整えていくことを約束する」と強調した。

ベトナム国内の経済については、クアン国家主席は、2016~2020年まで毎年6.5~7%のGDP年間成長率を維持するとした国家目標を紹介。その実現のために、マクロ経済の安定と、環境保護と両立した持続可能な発展を、同時に推し進めていく考えを示した。

ベトナムと日本両国の関係の面では、海外投資拡大によって,ベトナム産業の競争力を引き上げるために設置された「日越共同イニシアティブ」について語り、「ベトナムが政策や法令などを完成させる重要な手助けとなるだけにとどまらず、投資環境の改善につながり、日本からの質のよい投資をベトナムに呼び込む道筋となる」と、期待を語った。

日本側は、主要企業や経済団体トップらが参加。日本経団連の榊原定征会長と三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長らがあいさつを述べ、クアン国家主席の初めての日本公式訪問を歓迎。日本企業の発展においてベトナム企業が重要な役割を果たしたことを挙げて、「両国の実り多い関係が、二国間での貿易や投資をさらに増強していくだろう」との見通しを語った。

日本企業はまた、「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」や「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」などへの、ベトナムの積極的な参加の姿勢を称えた。