インド洋-太平洋戦略テーマに対話 「アジア経済フォーラム」開催

アジアで活動するシンクタンクの「アジア経済フォーラム」が、このほどホーチミン市で、インド洋-太平洋の地域戦略をテーマとした有識者による対話会議を開催した。ベトナムを含めたASEANの発展や繁栄を目指し、地域経済や国際貿易の動向、金融インフラの整備や課題、安全保証問題などが話し合われた。

冒頭、ダニエル・クリテンブリンク在ベトナム米国大使が、インド洋における米国の責任とドナルド・トランプ米国大統領のビジョンについて演説した。トランプ大統領は昨年11月にベトナムのダナン市で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)に参加し、「自由で開かれたインド洋-太平洋戦略(FOIP)」を提唱。それをふまえ、クリテンブリンク大使は、「ベトナムは米国のもっとも大切なパートナー国の一つだ」などと語った=写真㊤。

さらに、大使はAPEC直後の米国の国家安全保障戦略会議が、太平洋戦略を「新たなアジア戦略」に公認したことを挙げ、「インド洋 と太平洋の間では協力の長い歴史がある。引き続きこの関係を深め、この戦略を地域のビジョンとして推し進めたい」と語った。

大使によると、米国は2018年、地域安全保障費に約5億ドル以上もの支援をしており、このうち3億8500万ドルは、海外向けの軍事金融支援金だったという。

また、ベトナムの元外務副大臣で、在米国ベトナム大使を務めたこともあるファン・クアン・ビン氏は、「ASEANは地域の中心として、大国とのパートナーシップを発展させる重要な役割がある」として、地域の発展や安全保障に貢献するASEANの重要性を強調した。

ベトナムも、米国とASEANによる太平洋戦略を応援する立場にあり、ビン氏は「ベトナムは、インドや日本、オーストラリア、韓国などのアジア・オセアニア地域各国と協力関係を強化したい。同時に、米国とASEANの協力のプロセスにも参加したいと考えている」と話した。