米朝、思惑一致のベトナム開催=ハノイとダナンで駆け引きも

 【ワシントン、ソウル時事】2回目の米朝首脳会談が開かれるベトナムは近年、米国と急速に接近している一方、同じ共産主義国の北朝鮮とは伝統的な友好関係を維持している。昨年6月のシンガポールに続き、双方にとってより中立的な場所を望む米朝の思惑が、ベトナムでの開催につながったとみられる。

 米CNNテレビ(電子版)によれば、開催都市をめぐり、北朝鮮は大使館のある首都ハノイを希望。米側はトランプ大統領が2017年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で訪越した際に、安全面の確認を既に済ませた中部ダナンでの開催を求めている。訪朝中のビーガン北朝鮮担当特別代表が詳細を詰めるという。
 「朝鮮半島の平和に向けた歴史的な奮闘を続ける」。トランプ氏は5日の一般教書演説で、休戦状態にある朝鮮戦争の終結に意欲を示した。米側がベトナムを望んだ背景には、ベトナム戦争を乗り越え和解した米越の歴史に米朝関係をなぞらえる狙いがあるとみられる。
 一方、北朝鮮は1950年、ベトナムと国交を樹立。金正恩朝鮮労働党委員長が模範とする祖父、故金日成主席も訪越したことがある。正恩氏が訪越すれば祖父の足跡をたどり、自身の外交実績に箔(はく)を付ける形にもなる。
 17年に起きた正恩氏の異母兄・金正男氏殺害事件では、実行犯のベトナム人の女が逮捕され、両国関係は一時悪化。しかしその後、北朝鮮側が非公式に謝罪したとされ、李容浩外相が昨年11~12月に訪越し、友好関係を確認している。
 グエン・スアン・フック首相は李外相にベトナムの改革・開放政策「ドイモイ」を紹介したという。ポンペオ国務長官は昨年7月、ハノイで「大統領は北朝鮮が(ベトナムと)同じ道を歩むことができると信じている」と強調した。トランプ氏にはベトナム経済の発展を正恩氏に印象付け、改革・開放と非核化を促す考えもありそうだ。