金正恩氏、列車で中国南下=26日にも訪越、北京素通り

 【北京、ソウル時事】ベトナム・ハノイで27日から開かれる米朝首脳会談に向け、特別列車で北朝鮮から中国入りした金正恩朝鮮労働党委員長は24日、北京に立ち寄らず、南下を続けた。26日にもハノイ入りする見通し。

 正恩氏が過去2回、列車で到着した北京駅の周辺は24日午前、厳重な警備は敷かれなかった。韓国の聯合ニュースは、内陸の北京から離れた海沿いの天津市を特別列車が通過したと報道。「天津駅が厳戒態勢となった」という情報もある。
 正恩氏が往路北京で途中下車し、習近平国家主席と5回目の中朝首脳会談に臨むという観測があったが、両首脳の会談は先月行われたばかり。習指導部は来月3日と5日にそれぞれ開幕する全国政治協商会議(政協)と全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の準備などに追われている。
 正恩氏はトランプ米大統領との再会談後、「後ろ盾」の習氏に結果を伝える見通し。ただ、中朝会談の時期は中国側の政治日程をにらみながら決めることになる。
 ロシアのタス通信は外交筋の情報として、正恩氏が全行程を列車で移動すると伝えた。平壌-ハノイ間の距離は4500キロを超え、2日以上かかる。列車のルートは公表されていない。
 正恩氏が長旅をいとわず列車を選択したのは、1958年に列車で広州に移動後、航空機に乗り換えて初めてハノイ入りした祖父・故金日成主席のスタイルを意識した可能性がある。列車の方が北朝鮮の旧式の特別機より安全面で不安が少ないという指摘もある。
 一方、朝鮮中央通信は24日、正恩氏が米朝首脳会談のため、23日午後に平壌駅を出発したと報じた。
北朝鮮メディアが米朝再会談の開催を伝えたのは初めて。
 正恩氏には、対米交渉を取り仕切り、1月に訪米してトランプ大統領と会談した金英哲党副委員長のほか、正恩氏の妹・与正党第1副部長、党外交トップの李洙※(※土ヘンに庸)副委員長、李容浩外相、努光鉄人民武力相(国防相に相当)、崔善姫外務次官が随行している。