ベトナムとEU、自由貿易と投資保護の協定締結 フック首相も調印式出席

ベトナムと欧州連合(EU)は6月30日午後、ハノイ市内で、EUベトナム自由貿易協定(EVFTA)と投資保護協定(EVIPA)に調印した。調印には、G20サミットで来日中だったグエン・スアン・フック首相も一時帰国して立ち会うなど、ベトナムの政府首脳や国会関係者らが参加した。

EVFTAは、ベトナム側がチャン・トゥアン・アイン商工相、EU側は欧州委員会のセシリア・マルムストロム通商担当委員が署名した。EVIPAには、グエン・チー・ズン計画投資相が署名した。

調印式に立ち会ったフック首相は、日本で開かれているG20サミットで、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長に会い、「(調印が行なわれる)6月30日は、双方にとって歴史的な一日となる」と話しあったことを披露。「これらの協定の調印は、ベトナムとEUの関係をより緊密で強固なものとし、幅広い相互協力関係の幕開けになるだろう」と語った。

EUが掲げる「東方政策(the Look East Policy)」のもと、EUはベトナムをパートナー国として重視してきた。フック首相は、「多角化と多様化を追及し、国際統合にむけた強いビジョンを持つ東南アジアの国として、また、ダイナミックに発展する潜在力のある国としてEUに評価されたことは、非常にうれしい」と話した。

また、国連安全保障理事会の非常任理事国入りを、EU諸国が後押ししてくれたことにも感謝を述べ、世界や国連などの舞台で、「ベトナムは、EUとともに、世界的課題解決に向けて緊密に連携していく」と決意を語った。


FTA締結後にあいさつするチャン・トゥアン・アイン商工相

新しい協定により、EU各国の企業の前には、1億人規模となるベトナム市場の門戸が大きく開かれた。さらにベトナムを経由して、ASEANや太平洋横断的パートナーシップ協定(CPTPP)など東アジアの市場もよりアクセスが容易になると、調印がもたらす今後の効果が期待された。