台湾衣料品大手、ベトナム事業拡大を減速=労働コスト上昇で他国に投資シフトか

ベトナムの経済発展に伴う労働コスト増大を受け、海外の繊維・衣料品大手が事業拡大ペースを落としたり、中断したりする動きが明らかになっている。オンラインメディアのVNエクスプレスが海外報道などを基に伝えた。

 米衣料品販売チェーンのギャップや小売り大手のウォルマート・ストアーズなどに商品を供給する台湾の聚陽実業(マカロット・インダストリアル)は、ベトナム事業の拡大ペースを緩めている。同社の周理平董事長は、「ベトナムに進出する企業が増え、労働者、スタッフの奪い合いも予想される」として、労働力不足や雇用コストの上昇を懸念。今後はインドネシアでの生産に注力していく考えだという。
 また、米ナイキ、アンダーアーマーなどに納入する台湾スポーツウエア製造大手の儒鴻企業(エクラ・テキスタイル)は、ベトナムでの生産能力追加をやめ、他の投資先国を物色しているという。両社ともここ数年の間に中国からほぼ撤退しており、現在、聚陽は製品の37%をベトナムで生産し、儒鴻は台湾、ベトナムでほぼ全商品を生産している。
 低労働コストや天然資源を武器にベトナムは外国投資を呼び込んできたが、格付け大手のフィッチ・レーティングは最近のリポートで、低労働コストの優位点は失われつつあると分析した。ベトナムの最低賃金は2015~19年に毎年平均8.8%上昇しており、上昇率ではラオス(14.6%)、中国(9.8%)と並び、アジア地域で最も高い国の一つになっていると指摘している。(時事)