日本、対ベトナム向け新規ODAを検討 JICA所長語る

日本政府は、2019年度中に、ベトナムに対する新たな政府開発援助(ODA)の適用を検討しているという。独立行政法国際協力機構(JICA)ベトナム事務所の小中鉄雄所長が、ベトナム経済ニュース(VEN)に明らかにした。

JICAの資料によると、ラックフェン国際港の建設や、古都ホイアンのチュアカウ地区での排水処理プラント整備など、日本からのODAで進められてきた主要プロジェクトは2018年度中にほぼ完了した。日本は支援の継続を約束しており、ベトナム政府もいくつかのプロジェクト提案を行なっていたものの、昨年度は、行政手続きの遅れなどのためODAの提供は実現しなかった。

これらの重要案件について、JICAの小中所長は、「資金提供で合意するためにも、今後さらに、ベトナム政府と話し合いを進めたい」と意欲を示した。

小中所長によると、JICAは2019年度中に、新たなODA案件を始動させる計画があるほか、ベトナムでの電子政府構築プロジェクトにも協力していくという。また、日越間で人材育成を行なう国際組織、「ベトナム日本人材開発インスティチュート」を設立し、裾野産業などの人材育成に尽力する。さらに、研究機関や戦略分析機関などと協力し、各地の地方自治体が2020年以降を見据えた中長期の発展計画を立てる際の支援も提供していく。

特に、ベトナム政府が展開する高速道路や港湾や橋梁、交通インフラ整備など、メコンデルタ地域のインフラ整備事業では、JICAが人材の育成や計画コンサルティングなどで支援提供を行う。

これらの分野での協力を促進するため、小中所長は、「JICAは日本の政府機関や公的組織だけでなく、国際組織などとも連携し、持続可能な発展目標を達成していきたい」と語った。