バンガード堆での中国の海洋調査、ベトナム政府、「反対する」声明を発表

ベトナムと中国が領有権を主張する南沙諸島のバンガード堆(たい)に、中国が海洋調査船隊「海洋地質8号」を派遣したとして、ベトナム外務省報道官は7月16日と19日、強く反対する声明を発表した。

ベトナムでは「中国は一方的に東部海域で事態を複雑化させ、緊張を高めている」と反発が強まっている。ベトナムでの報道によると、中国の海洋調査船隊「海洋地質8号」をバンガード堆へ派遣、海洋地質8号「HD8」とともに「護衛船隊」(中国の海警局の船舶、輸送船等)も派遣したという。

ベトナム外務省報道官は16日、19日次のような声明を発表した。
中国のHD8調査船隊が東部海域におけるベトナムの排他的経済水域(EEZ)、大陸棚に対する侵害行為をした。
ベトナムは、中国に対して、回数を重ねて様々なチャネルで接触し、反対の文書を渡し、今回の行為を直ちに中止し、ベトナムの海域からすべての船を撤退させ、両国の関係及び域内の安定・平和のために、ベトナムの主権の権利及び裁判権を尊重するよう強く要請する。
ベトナムの海上関係機関は、ベトナムの海域を守衛するために、適切な措置を通して、主権、主権の権利及び裁判権を平和的且つ合法的に実施し続ける
東部海域における秩序、平和、安全保障を維持するのは、域内、域外及び国際社会の共通の利益である。そのため、ベトナムは、関係各国や国際社会が共に努力して、この共通の利益を守衛し、維持するのに寄与するよう、要請する。

また、ベトナムのメディアは、米国が7月20日のリリース(声明)にて、中国が、東部海域において特にベトナムの石油・ガスの開拓及び調査活動を阻止した報告に関して深い懸念を示した-と伝えた。

さらに、主要メディアは、中国のHD8船隊のバンガード堆における活動は、東部海域における事態を複雑化させ、平和と安全に悪影響を及ぼす危険な行為である。この問題を平和な措置で解決し、今後再び同じ様な形で東部海域や域内の他の海域で行われ得る行為を防ぐために、直接紛争に関わる国々の努力は勿論、関係国・機関が関心を示し、監視するとともに国際法の順守とその実行の方向で、また、航海・航空の安全保障・自由、安全の確保を優先し、平和な措置で紛争解決を重視する姿勢を明らかに示すことが必要である-などと述べた。