ベトナム・ロシアの二国間貿易、年30%超増加=エネルギー開発で成功

ロシア駐ベトナム大使のコンスタンティン・V・ヴヌコフ氏は、「ロシアは、ベトナムとの包括的・戦略的パートナーシップの発展を望んでおり、ベトナムはアジア太平洋地域で最も重要なパートナーの1つである」と述べた。

■強固な基盤
ベトナムとロシアの経済、貿易、投資関係は近年大きな発展を遂げており、ロシアとベトナムの貿易額は、ロシアの対ASEAN貿易額の3分の1を占めている。

ベトナム側のデータによると、EAEU・ベトナムFTA協定(VN-EAEU FTA)が2016年10月に発効して以降、二国間貿易は年30%超のペースで増加し、2018年には45億ドル(約4,877億円)を超えた。2019年の第1四半期には、すでに11億4,000万ドル(約1,236億円)に上り、前年同期比で12.4%伸びている。

特にロシアでは、ベトナムの電子機器、繊維製品、衣類、魚介類、コーヒーに対する人気が高い。一方、ベトナムの消費者は、ロシアの機械・設備や技術、消費財に関心がある。

■協力の拡大
投資分野でも二国間協力は拡大し、大規模プロジェクトが両国で進行中だ。エネルギー分野は従来戦略的な協力領域であり、ここでの成功が両国の財源を豊かにした。

2030年まで続くジョイントベンチャーのベトソブペトロ(Vietsovpetro)社における継続的な協力とは別に、ガスプロム社やロスネフチ社といったロシアの大手石油ガス会社は、ベトナムの沖合海域を含む大陸棚で、数多くのプロジェクトを実施している。両国の石油会社は、液化石油ガス(LPG)の輸入やエンジン燃料の生産という新しい領域で、さらに協力を拡大していきたい考えだ。

しかしながら一方で、両国の間には、貿易・投資面での潜在力に課題がある。両国は、50~60億ドル(約5,419億~6,503億円)という現在の貿易額を、2020年までに100億ドル(約1兆837億円)とする目標を掲げているが、ベトナムのロシアへの投資が30億ドル(約3,251億円)に達したのに対し、ロシアのベトナムへの投資はわずか10億ドル(約1,084億円)にすぎない。

両国の政府と企業は、実現可能で有益な新しい投資分野を模索しながら、目標達成のために努力を続けている。例えば、ベトナムのTHグループが、ロシアのモスクワやカルーガなどの地域で実施する乳製品開発の巨大プロジェクトは、順調に進んでいる。カルーガでのプロジェクトは、今年後半には量産化できる予定だ。

また、クリーンエネルギーや情報技術、エレクトロニクス、通信といったハイテク産業には潜在力があり、実施に向けて数多くのプロジェクトが提案されている。

両国の政府と企業は、ロシアにおけるベトナム年、ベトナムにおけるロシア年が、二国間の包括的・戦略的パートナーシップの発展に貢献することを期待している。