日本の知見生かし法整備=鉱物などの放射線管理で意見交換

 【ハノイ時事】ベトナム科学技術省傘下のベトナム放射線・原子力安全規制庁(VARANS)は17日、ハノイで日本の専門家らと、鉱物などに含まれ自然界に存在する放射線(NORM)の管理に関する会合を開いた。ベトナム当局は日本の知見を活用し、レアメタルなどの加工にも影響を及ぼすNORM管理の法整備に取り組む方針を示した。鉱物資源の関連企業の間では、不十分な法整備による事業活動への影響を懸念する声が上がっている。

 グエン・トゥアン・カイ局長は、「NORM管理で具体的な基準ができておらず、(鉱山などの)事業者は施設管理が困難になっている」と述べ、対応の遅れを認めた。「(NORM管理の)指針を策定することは急務だ」と語り、早期に法整備を進めたいとの意向を表明した。
 在ベトナム日本大使館の土屋武大参事官は、「法整備が進むことで、関連企業にとって事業活動を行うための環境が整備される」と指摘。日本政府として、ベトナム当局の取り組みを後押しする考えを示した。
 千葉大学の新藤宗幸名誉教授ら日本の専門家は、放射性廃棄物をめぐる法制度を含めた日本の対応状況を紹介した。ベトナム当局の専門家は、NORM管理の法整備に向けた取り組みなどを説明。日本の専門家との間で、東京電力福島第一原発事故を受けた放射性廃棄物の処理や、日本の事業所におけるNORM管理の状況などで意見を交わした。
 カイ局長は「日本の経験は大変貴重だ。ベトナムでの法整備に役立てたい」と述べる一方、「(国内の)実情に合わせたものにしなければならない」とも指摘。日本などの事例を参考にしつつ、ベトナムの実態を踏まえた法整備を急ぐ方針を明らかにした。
 会合に参加した希少鉱物の加工などを手掛けるベトナム・レア・エレメンツ・ケミカルの児玉圭太社長は取材に対し、「事業を円滑に進めるため、ベトナム当局が早く関連法令を整備することを期待する」と語った。