外国人へのビザ免除策に安保上の懸念=改正法案の国会審議で

 ベトナム国会で14日、沿海地域の経済区を訪れる外国人への査証(ビザ)免除に関する出入国関連法の改正案が審議され、多くの議員から安全保障上の懸念が示された。議員らは、沿海地域には国防上重要な地点が多く、そうした場所に悪意を持った外国人の侵入を許すリスクが生じるなどと指摘している。ベトナム・ニュース紙(電子版)が伝えた。

 改正案では、経済区が明確な境界と国際空港を有し、かつ入国者が社会経済発展に必要だと判断されれば、30日間未満の滞在についてビザを免除できると規定。ベトナムでは現在、キエンザン省のフーコック島で、30日間未満の滞在者を対象にしたビザ免除策を試験的に実施中で、改正案は条件が似ている他の経済区にも同様の施策を拡大するものだ。
 しかし、国会の国防・安全保障委員会は、沿海部には国防上の戦略地点に近い経済区が多くあり、訪れる外国人に一律でビザを免除すれば深刻な安全保障上のリスクが生じるとの懸念を表明。多くの議員も、経済発展のために国の安全保障や防衛を犠牲にしてはならないと主張した。
 中でも、ホーチミン市選出のチュオン・チョン・ギア議員は、示された免除要件は明確でなく、法案は曖昧すぎると厳しく批判。またダナン市選出のグエン・ティ・キム・トゥイ議員も、本土から離れたフーコック島で試験実施されたからといって、免除策が本土の沿海経済区に適用可能なわけではないと強調。「(南シナ海の)海域や島しょ部でベトナムの主権が侵害されている中で、改正案に書かれたような施策が実施されれば、悪意を持つ外国人が観光客を装って侵入するリスクにつながる」と懸念を示した上で、経済発展が国の安全保障を侵害しないようにするべきだと訴えた。(時事)