ベトナムの輸出産業にビッグチャンス 魅力あるロシア市場②

《ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟によって、ベトナムの輸出産業は、ビッグチャンスを迎えようとしている。ベラルーシ、カザフスタン、ロシアとの自由貿易協定(FTA)がさらに拍車をかけそうだ。》

統計によると、ベトナムからロシアへのコメや水産品、衣類、シューズといった主要輸出品は近年、順調に伸びている。最近では、電話とコンピュータ―が急伸し、これらの品目を追い上げつつある。今年の年初9カ月のロシアへの総輸出額は14億900万ドル(1380億円)にのぼっている。

ロシアにいるベトナム人の数は膨大だ。彼らは長年ロシアに住み、現地の習慣や好み、文化を熟知している。市場参入するうえで、ベトナムの企業はこうした人たちの存在を重視し、両国の橋渡し役として活用していく必要があるだろう。

しかし、いかにアドバンテージがあったとしても、ベトナムの企業は品質と価格におけるより過酷な競争に直面することになるだろう。ロシアの関税引き下げは、他国にとっても有利に働く。在ロシアのベトナム貿易事務所は、自社の製品を売り込むため、毎年開催される見本市や各種フェアへの出展を呼びかけており、「品質や商標を多くの人に印象づけなくてはならない」としている。

商業参事官のファム・クアン・ニエム氏は「ロシア人の所得と生活は、以前に比べ改善されてきた。高品質な製品、商品が好まれ、消費のサイクルも早くなっている。特に食品の衛生、安全性の問題は厳しく管理されている。こうした点に、ベトナムの企業は特に気をつけなければならない」と注意を喚起している。