南シナ海情勢めぐる協力で一致=インド含めたRCEP早期署名にも努力-日越外相

 【ハノイ時事】ベトナムを訪問中の茂木敏充外相は6日、ハノイの政府迎賓館で、ファム・ビン・ミン副首相兼外相と会談し、中国が軍事拠点化などを進める南シナ海情勢をめぐり協力することで一致した。広域経済圏を創設する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)では、慎重な構えのインドを含めた早期署名へ努力する方針を確認した。

 茂木外相は、国際社会が直面する課題として北朝鮮問題、南シナ海情勢などに言及。「(こうした課題で)ベトナムと協力し、連携していきたい」と訴えた。ミン外相は、「南シナ海における航行の自由の確保や、海洋に関する国際法を順守する重要性で一致した」と語った。
 茂木外相はまた、日本の提唱する「自由で開かれたインド太平洋構想」と東南アジア諸国連合(ASEAN)の同様の構想を連携させる意向を表明。今後、双方で協力の具体化を目指す方向となった。このほか、ベトナムが今年、ASEAN議長国と国連安全保障理事会の非常任理事国を務めることを踏まえ、「ベトナムの取り組みを全面的に支援していきたい」と伝えた。
 日越両国は会談に併せ、(1) ベトナム北部ハロン湾地域での下水処理施設の整備に対する円借款の供与(限度額は118億9100万円)(2) ベトナム戦争時に米軍の使用した枯れ葉剤でダイオキシンに汚染された土壌の除去に向けた分析機材などの供与(無償資金協力・3億円)-に関する経済協力の文書に署名した。
 茂木外相はミン外相との会談を前に、ハノイの首相府でグエン・スアン・フック首相を表敬。有能で若いベトナム人の訪日を望む考えを示しつつ、新たな在留資格「特定技能」制度の運用などでベトナムに協力を求めた。このほか、茂木外相はチャン・トゥアン・アイン商工相とも会談し、自由貿易の推進や両国間の投資環境整備などで意見を交わした。