ベトナム商工省によると、日本など11カ国による環太平洋連携協定(TPP)の発効から1年が経過し、米州諸国など一部加盟国向けの輸出が大きく伸びた半面、苦戦した国も見られた。13日付のベトナム・ニュース紙が伝えた。

 2019年に輸出額で大きく伸びた国は、カナダが前年比28.2%増の38億6000万ドル、メキシコが26.8%増の28億4000万ドル、チリが20.5%増の10億ドル、ペルーが40%増の3億5000万ドル。一方、シンガポール向けは1.1%増にとどまり、オーストラリアは12%減(35億ドル)、マレーシアは3%減(33億ドル)と苦戦した。
 ベトナム商工会議所(VCCI)のブー・ティエン・ロック会頭は、TPPによるベトナムへの影響として、まずはグローバルな貿易などに合致するよう制度改革を加速させることにあったと強調。しかし、8600社を対象にしたVCCIの調査によれば、全体の7割の企業がTPPのことをほとんど知らないという実態が浮き彫りになった。
 繊維、履物、水産品や木製製品は、TPPの関税ルールの恩恵で輸出拡大が大きく期待される物品とみられているが、19年にはそうした成果は見られなかった。ベトナム繊維・縫製グループ(ビナテックス)のレ・ティエン・チュオン最高経営責任者(CEO)は、繊維業界が原産地ルールへの適合という問題を抱え、TPPのメリットをフルには享受できなかったとの認識を示した。繊維業界の輸出額は390億ドルと、当初見込みを下回る内容にとどまった。(ハノイ時事)