東南アジア各国、日本に期待感=米中対立に備えた「戦略パートナー」で-調査

 【シンガポール時事】米中貿易摩擦がもたらす損失や不利を避けるため、東南アジアにとって最も好ましく信頼のおける第三国の戦略パートナーは日本-。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟全10カ国を対象に行われた調査で、回答者の38.2%が日本を挙げた。

 調査は、シンガポール政府系シンクタンク、東南アジア研究所(ISEAS)がASEAN加盟全10カ国の政府、学界、ビジネス界、市民、マスメディアから抽出した1308人を対象に実施した。
◇リスクヘッジで第三国模索
 東南アジア諸国にとって、米中はいずれも影響力が大きい大国で、板挟みになっている。調査リポートでは、東南アジア各国は米中貿易摩擦がもたらす不確実性による影響を緩和するため、日和見主義的な立ち位置で、米中双方との関係を積極的に維持していると分析。一方で、リスクヘッジとして米中両国以外の第三国とのパートナー関係を模索していると指摘した。
 日本以外の戦略パートナー候補としては、欧州連合(EU)が31.7%、オーストラリアが8.8%、インドが7.5%、ロシアが6.1%、ニュージーランドが4.7%、韓国が3.0%だった。日本を選んだ国の割合は、ミャンマーが最も多い53.3%。次いで、フィリピンが44.5%、ベトナムが40.1%、インドネシアが37.2%、カンボジアが34.6%、ブルネイが34.0%、シンガポールが32.9%、タイが31.2%と続いた。一方で、ラオスが21.6%、マレーシアが26.4%と低かった。日本を選んだ回答者の年齢層は、1981年以降生まれの若手世代の割合が最も多い39.3%を占めた。
 この他、「米国は東南アジアに安全をもたらす戦略的パートナーであるか」という質問に同意できないと回答した人の31.7%が、東南アジアにとって最も好ましい戦略パートナーは日本だと回答。割合は日本が最も多かった。
◇日本語、「有益な外国語」で3位
 調査では、米国は東南アジアの戦略的パートナーかという質問に、47%が「全く同意できない」または「ほとんど同意できない」と回答し、米国への不信感を示した。中国に対しても、回答者の約60%が、「中国は世界の平和や安全、繁栄への貢献で正しい選択をするか」という質問に「全く同意できない」または「ほとんど同意できない」と答え、警戒感を示した。
 日本への好感は、他の質問項目からも読み取ることができる。「訪れたい国はどこか」という質問では、日本が26.2%で最上位だった。次に欧州(19.7%)、ASEAN諸国(11.6%)、米国(11.2%)が続いた。
 「仕事やキャリアアップのため最も有益な言語は何か」という問いでも、1位英語(95.4%)、2位中国(39.1%)に続き、日本語(14.2%)が3位にランクインした。次いでフランス語(12.2%)、韓国語(4.5%)、ドイツ語(4.0%)、ヒンドゥー語(2.1%)の順となった。