中国からシフト加速=「ベトナムは大きな受け皿」―西村・日越関西友好協会会長

 【ハノイ時事】日越関西友好協会の西村貞一会長(サクラクレパス会長)ら訪問団が11、12日にベトナム・ハノイを訪問し、ホアラック・ハイテクパークでの桜の記念植樹式や同国政府高官らとの会談を行った。西村会長に両国関係の展望と課題を聞いた。

 ―今年のベトナムとの経済・社会関係をどう展望する。
 新型コロナウイルスの問題があって読みにくいが、「米中貿易戦争」もあり、そうした課題に対処していくのに日本側はベトナムを活用することが基本になってくる。その意味で拡大していくのではないか。企業の間には中国も厳しいという印象を持っているところが多いように感じる。
 われわれは中国に工場はあるが、これは中国での販売のための工場と位置付け、輸出向けはすべてベトナムで生産する。その方向で動き始めている。
 中国からのシフトが一段と起こると思う。ベトナムだけではなくタイ、フィリピンに動くところもあるだろう。ベトナムがその大きな受け皿の一つだと思っている。

 ―新型コロナウイルスの問題によるマイナスの影響は。
 まだベトナムだけではすべての原材料を用意できない。日本から持って行くこともできるが、中国で材料を買い、ベトナムに運ぶことをしなければならない。物流がスムーズに進まなければサプライチェーンが途切れてしまう。いまは国境での通関も基本的には閉ざされている。品物がスムーズに入らなければ、せっかくのベトナムへのシフトが止まってしまうのではないかとも感じる。国としてしっかり対応してもらいたい。
 日本の感覚からすると、いささか過剰な反応ではないかと思うくらいベトナム政府は神経質になっている。だが逆に言うと、(ウイルスの)抑え込みがうまくいくのではないかという感じもあり、その意味では安心感がある。そこまで神経質にならなければいけないのかと思うほどだが、(ベトナムは)かつて重症急性呼吸器症候群(SARS)の際に深刻な影響を受けており、徹底的にやるという国の気持ちはよく分かる。(ウイルスの封じ込めがうまくいけば)長期的な安心感につながり、信頼感にもなる。短期的には厳しい対応だが、国としての思いは理解できる。

 ―日越間の人材交流、投資の拡大をめぐる協力は。
 投資拡大では、いまベトナムには風が吹いていると思う。そのことを日本国内にもしっかりPRすることが、大きな投資拡大につながる。大企業だけではなく中小企業が動きだすと小口の投資がたくさん行われ、サプライチェーンがつながる。ベトナムはもともと中小企業(政策)を導入したいと言ってきており、その念願がかなうのではないか。
 人材交流に関しては、日本にも(受け入れ)業者がいるし、ベトナムにも労働者や学生を送り出す業者がいる。ここで、悪徳業者を排除する。ベトナムの子供たちが日本に来て良かったと思って、帰ってもらわなければならない。悪徳業者の排除を日本でもやらなければいけないし、ベトナムもぜひ考慮してもらいたい。両国政府で取り組んでほしい。

 ―民間から見て、日越関係を一層深めるアイデアは。
 今回も桜の苗木50本の植樹を行ったが、民間レベルで文化交流をもっと進めることが大事ではないか。日本人がベトナム市民の考え方をよく知り、ベトナムの方にも日本のことを理解してもらうのが重要だ。