チャン・トゥアン・アイン商工相は15日、中国と国境を接するベトナム北部のランソン省とクアンニン省の3カ所の国境検問所の通行再開について、検疫業務などに関して具体的な指示を伝えた。中国でのコロナウイルスによる新型肺炎(COVID-19)のまん延にともない、これらの検問所は先月末から閉鎖されていた。

アイン商工相は両省に文章を送付し、「COVID-19流行にともなう中国との貿易に関する2月12日付け首相政令」などに従って行動するよう求めた。具体的には、検疫を強化したうえで、ランソン省のタンタインとコックナムの2カ所の国境検問所、クアンニン省モンカイ市ハイイェン地区と中国広西チワン族自治区とを結ぶ、カロン川の船橋の通行再開を許可した。

これに先立ち、中国の広西チワン族自治区南寧市と雲南省昆明市に設置されているベトナム総領事館は、中国側当局がベトナム側と「一部貿易の再開で合意した」と説明。双方が具体的な再開の手法について協議していたという。

アイン商工相は、「ベトナム側と中国との間で協議し、ウイルスの拡大防止策や病気の制御方法、さらには通行する車両や運転手、荷物の積み下ろし作業を行う労働者らの検疫手法などを、ベトナム保健省の指示に従いながら、検討している」と説明した。

また、問題が発生した場合は、ランソンとクアンニン両省の人民委員会が商工省と保健省にただちに報告し、その後、合理的な対策などの指示を受けるとした。

ランソン省とクアンニン省の中越国境貿易では従来、ベトナム側から多くの農作物や果物、生鮮食料品などが中国側に輸出されていた。この時期はドラゴンフルーツやスイカなどの輸出が多いが、国境の閉鎖で輸出ができない事態となり、貿易関連企業や生産者らが大きな打撃を受けている。