人身取引予防へ少数民族に技能研修=特定NPO通じ無償資金48万ドル―日本政府

 【ハノイ時事】日本政府は26日、ベトナム北部ディエンビエン省の山岳地域に住む女性の少数民族を支援する無償資金協力事業の署名式を行った。特定NPOのワールド・ビジョン・ジャパンが約48万3000ドルの無償資金を活用し、山岳地域に住む少数民族の女性らを対象に人身取引の被害を予防するための技能研修などを行う。

 ティエンビエン省の貧困率は45%で、ベトナムの全国平均(10%程度)を大きく上回る。今回の支援対象となる山岳地域のムンオンチャ郡(モン族)、トアンザオ郡(ターイ族)はさらに貧困率が高いとされる。
 支援事業を行うワールド・ビジョン・ジャパンの池内千草プログラム・コーディネーターは「貧困が人身取引を産む要因になっている」と説明。女性のための拠点としてのコミュニティーセンターの設置に加え、収入の向上に向けた家畜の世話、家庭菜園などのスキル研修、地域で人身取引や女性への暴力を予防する枠組みの構築などを目指す考えを示した。
 梅田邦夫駐ベトナム大使は山岳地域の少数民族と都市部の人々の間で、「経済や教育面で格差が広がっている」と指摘。今回の支援事業を通じて、「一人でも多くの少数民族の人々が正しい知識を身に付け、豊かな生活になることを望む」と語った。