アジア諸国間で外国投資受け入れ競争が激化へ=コロナで「脱中国機運」加速

 米中貿易摩擦や、新型コロナウイルス感染拡大によるサプライチェーン寸断を機に、海外主要企業で「脱中国機運」が高まっており、ベトナムは新たな投資受け入れ先として注目されている。しかし専門家らは、他のアジア諸国なども投資受け入れを誘致しており、競争は一段と激しさを増すと警戒感を強めている。オンラインメディアのVNエクスプレスが伝えた。

 ベトナム外資系企業協会(VAFIE)のグエン・マイ会長によると、ベトナムはコロナ感染制御に成功していることが評価され、投資先として脚光を浴びている。ただ、「巨大市場」のインドや、タイ、マレーシアなども破格の条件のインセンティブを提供し、海外企業の受け入れを図っている。ベトナムはこれら諸国の一つにすぎず、投資の受け入れ競争は激しいとマイ会長は指摘する。
 ベトナム製造業の規模が小さすぎるとして、投資受け入れ体制の不十分さを懸念する見方も強い。ベトナム裾野産業協会(VASI)のチュオン・チ・ビン副会長によると、裾野産業分野の製造企業は大半が従業員200人未満の小企業であり、使用する機械の技術水準も低いため、小型部品を小規模生産する能力しかない。産業集積を実現できる企業はほとんどない一方、海外の多国籍企業は大量注文に応える能力を求めている。
 またベトナム企業がたとえ世界的な技術水準を満たしたとしても、中国企業を上回る価格を提示できない可能性がある。さらに投資誘致で競合する諸国は、裾野産業でベトナムを超えるインセンティブを提供しているという。
 このためビン氏は、ベトナムにサプライチェーンを完成させるため裾野産業のクラスター(集積群)を構築するとともに、裾野産業分野で多数の新興企業(スタートアップ)を生み出すための政府支援が必要だなどと訴えている。(時事)