ASEAN首脳会議開催 15カ国がRCEPに合意 「成功のカギは連携」フック首相

オンライン形式での第37回ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議が今月12~15日、ハノイ市で開催され、加盟各国と日本、中国、韓国の15カ国が、東アジア地域包括的連結協定(RCEP)の交渉に合意した。議長国のベトナムのグエン・スアン・フック首相は、「連携は、ASEAN協力の基盤であり、成功のカギともなる」と参加各国に呼び掛けた。

ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議と関連諸会議では、2015年に発足したASEAN共同体の10カ年計画の中間報告が行われたほか、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、ASEAN地域における医療資材の共同備蓄の開始などが話し合われた。

フック首相は会合で、「ASEAN加盟各国がともに支え合い、行動しようと努力した結果、この地域はこれまでの課題を乗り越えることができ、今、長期的な平和と安定、発展と繁栄の未来に向かっている」と語った。また、加盟各国に対して、ベトナムが目標を達成するために寄せられた支援に対して感謝の意を述べた。

期間中には、第37回アセアン首脳会議のほか、対中国、日本、韓国、インド、米国、オーストラリア、国連との間でいわゆる「ASEANプラス1」会合が開かれたほか、第15回東アジア首脳国会議、第4回東アジア地域包括的連結協定(RCEP)交渉など、約20の会議が、首相や最高レベルの外交担当者らの参加で開かれた。

このなかで、各国首脳陣はASEAN共同体の構築をはじめ、活発な域内協力体制の維持や、ASEANとパートナー各国との関係の深化や拡大、世界におけるASEAN地域の地位向上などに焦点を当てて意見を交わした。さらに、新型コロナの感染抑制をはじめとした各国共通の数々の課題について議論した。ベトナムの提案を含め、80あまりの提案がこの期間中に各国政府に採択され、その成果は過去最高数となった。

今年1年間議長国を務めたベトナムは、15日の最終日、議長を無事、ブルネイへと引き継いだ。

1967年に発足したASEANは、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイとベトナムの10カ国が加盟。今回のRCEP交渉の合意で、世界経済の約3割を占める規模の自由貿易圏が誕生することとなった。