ベトナムの新型コロナ対策、97%が評価=UNDPなど調査

国連開発計画(UNDP)とメコン開発研究所(MDRI)が最近行った、ベトナム政府の新型コロナウイルス対応に対する電話調査で、回答者の約97%が「評価する」もしくは「とても評価する」と回答したことが分かった。また、回答者の約94%は、省当局の取り組みにも同様の評価を行った。

写真㊤=UNDPはベトナムの新型コロナ対策を評価した

UNDPベトナム駐在員のケイトリン・ヴィーゼン氏は、「ベトナムの新型コロナ対応は、感動的な成功物語である。ベトナム政府の迅速かつ効果的な対応と、国民の信頼と順守する姿勢が成功につながった」と分析。「この成功から得られた透明性、説明責任、社会的結束に対する教訓は、政府が将来的な危機に対処するのに役立つだけでなく、貧困や環境、汚職といった課題対応の手助けにもなるだろう」と述べた。

調査は昨年9月、2019年の地方別行政・統治効果指数(Vietnam Provincial Governance and
Public Administration Performance Index:PAPI)の調査サンプルからランダムに抽出された1,334人を対象に実施された。回答者は30歳以上で、都市部や農村の住民、労働者が含まれた。UNDPの調査チームによると、PAPIのサンプルを使用することで、高い信頼性をもって対象を特定できたため、調査の正確性や効率性がアップしたという。

駐ベトナムオーストラリア大使館の経済開発協力担当参事官であるデイヴィッド・ゴットリーブ氏も、ベトナムの新型コロナ対応には感銘を受けたと述べている。ゴットリーブ氏は、「私はベトナムの新型コロナ対策に非常に感銘を受けたが、政策にとって重要なのは私の印象ではなく、人々がどのような印象を受けたかが大事だ」と語った。

政府が行った62兆ドン(約2,800億円)の救済措置について、人々は概ね肯定的に評価している。回答者の21%は、女性や少数民族、最貧層や貧困層に近い層といった救済措置を受けた人々だった。

回答者は、4月に発令された政府のソーシャル・ディスタンシング戦略に強い支持を表明しており、88%が「発令のタイミングが適切であった」と賞賛している。また、89%の回答者が、たとえ景気回復が遅れようとも、1人でも多くの生命を救おうとする政府の姿勢や政策を支持している。この割合は世界平均よりはるかに高く、世界で「景気回復より人命を」と答えたのは67%だった。

ベトナムでは、1,411人の新型コロナ患者が確認されている。このうち死亡したのは35人だが、その多くは糖尿病や腎不全などの基礎疾患を持つ高齢者だった。感染拡大期では、回答者の約99%が外出時にはマスクを着用し、93%は定期的に手洗いを行ったと答えた。