ベトナム、米ウェストバージニア州と覚書調印=経済・貿易・エネルギー分野で関係強化

ベトナム商工省は2月25日、米ウェストバージニア州との間で、経済・貿易・エネルギー分野の協力に関する覚書(MoU)を締結した。同日、ハノイで調印式を行った。

写真㊤=調印式の様子(VOV)

この調印により、商工省とウェストバージニア州は、貿易・工業・エネルギー分野の取り組みを促進する包括的な協力の枠組みを構築するとともに、潜在的なビジネスチャンスなどの情報共有を強化していく。覚書では、実行プロセスにおける当事者の責任と権限を明確に定義し、協力促進のための共同作業部会の設立を決めた。

調印式では、党中央経済委員会委員長(政治局員)のチャン・トゥアン・アイン商工相が、ベトナムと米国の関係は非常に重要であると強調した上で、同州選出のキャロル・ミラー下院議員とジム・ジャスティス州知事が、米国議会と政府において、ベトナムとの経済関係を強化する姿勢を称賛した。

また、この調印時期については、「経済回復や新型コロナウイルス対応で緊密に協力するために、今は両国にとって非常に適切な時である」との認識を示した。

さらに、アイン商工相は、「戦略的信頼関係の構築は、両国間の包括的なパートナーシップを実質的、持続的に促進させる最も重要な要素の1つである。とりわけ経済貿易分野では両国に利益をもたらし、アジア太平洋地域の平和と安定、協力関係の発展に貢献することができる」と強調。「ベトナムの投資環境を改善し、米国に有利な条件を整えることは、ベトナム政府の優先事項である」とも断言した。

アイン商工相は、「ベトナムは、すでに54の国々と16の自由貿易協定を締結しており、相手国は主にG20のメンバーである」と述べ、米国やウェストバージニア州の企業がベトナムに投資することで、こうしたオープンな市場にアクセスできるようになると指摘した。

一方で、ミラー下院議員は、「この覚書の調印は、重要なパートナーとの永続的な友好関係の始まりであり、双方に経済的な利益を生み出し、ベトナムと米国間の貿易に調和と均衡をもたらす」とし、「ウェストバージニア州や米国議会において、両国関係を一層強化し、州とベトナムの相互理解を深めていきたい」と誓った。

ベトナム・米国関係は、2013年に包括的パートナーシップが締結されて以降、貿易投資分野で大きな発展を遂げてきた。2020年の二国間貿易額は、新型コロナの影響があったにもかかわらず908億ドル(約9兆8000億円)に達し、今年は1000億ドル(約10兆8000億円)に拡大するとみられている。

過去5年間で、ベトナムの対米輸出額は230%増加し、米国から東南アジア諸国への輸出額も175%以上伸びていると報告されている。加えて、両国間では、米国連邦政府や州との協力を強化するなど、調和のとれた持続可能な貿易関係のための施策を盛り込んだ行動計画を策定している。