ベトナムのチャン・トゥアン・アイン商工相はこのほど、米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表と電話で会談した。両国間の良好な貿易関係の維持のために協力し、今後さらに、「持続可能で、双方にとって有益な貿易」を目指すことで合意した。

ベトナム側のアイン商工相は、ベトナム共産党中央委員会の経済委員会議長を兼務し、ベトナムと米国間の貿易投資枠組み協定(TIFA)評議会の議長でもある。米国側は、バイデン政権下で先月就任したばかりのタイ通商代表が参加した。

両者は、二国間の関係正常化から25年以上に及ぶ年月のなかで、両国の指導者らの努力のおかげで築かれた、ベトナム商工省と米国通称代表部間の緊密かつ効果的な協力体制や、両国の経済と貿易の結びつきが、現実的な成果をあげているとの認識を共有。貿易投資枠組み協定評議会での両国の歩み寄りや、他の省庁間、または企業レベルでの協力関係の構築についても高く評価した。

アイン商工相は、「ベトナムと米国の関係は、強力に発展している」と、二国間関係の現状を称え、「今後も両国の関係は安定が続くだろう。経済や貿易の面での結びつきをはずみに、さらに発展させたい」と期待を述べた。

タイ通商代表は、貿易投資枠組み協定評議会を通じて実現した両国間の政策対話の結果を称賛し、「現存する経済や商業上の課題についても、満足のいく解決策を短期間のうちに模索できると思う。それが今後の両国間の貿易促進につながるだろう」などと話した。

商工省によると、ベトナムと米国間の貿易は昨年、新型コロナウイルスの世界的まん延にもかかわらず、総額908億ドルの記録的な数字を達成した。両国は今年、この数字を1000億ドルにまで増やしたい考えだ。

過去5年間で、ベトナムの米国向け輸出額は230%増と右肩上がりだ。輸入額も5年間で175%増した。現状では、米国はベトナムにとって最大の輸入先であり、米国にとってもベトナムは貿易額第10位の取引国に浮上するなど、二国の関係は両国にとってさらに重要度を増している。