2021年のベトナム外交成果 独立性、自立、多様化掲げ、首脳陣が積極的展開 

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で国家間の移動が停滞したにもかかわらず、2021年のベトナムは、積極的な対外外交を展開した。ベトナムの首脳陣は、近隣諸国や古くからの友好国、主要パートナー国などを訪問し、エネルギッシュで影響力のある二国間外交や経済協力を展開した。

◇二国間関係の深化
今年1月末に開かれたベトナム共産党第13回党大会で政府は、今後ベトナムが採用すべき世界各国との包括的で幅広い友好関係の要件を定めた。今年1年間を通じ、グエン・スアン・フック国家主席やファム・ミン・チン首相、ブオン・ディン・フエ国会議長らによるラオスやスイス、ロシア、キューバ、フランス、英国、インド、韓国、日本などへの一連のトップレベル外交で実現された。

これら各国への視察訪問は、ベトナムの独立性と自立性、多様化を示すとともに、政府の多国間の外交政策を再確認することとなった。

グエン・スアン・フック国家主席は今年8月、ラオスを公式訪問。4月の国家主席就任後初の外遊で、党首脳としても、第13回国民党大会以降、初めての海外公式訪問だった。訪問は、ベトナムが隣国であるラオスとの間の友好関係の育成と発展を最重要視していることの現れで、連帯と包括的な協力を約束するものだった。国家主席はラオス以外にもキューバ、スイス、ロシアを訪問し、ベトナムとパートナー国の間で協力の道筋を見出した。

ファム・ミン・チン首相は、英国とフランスを公式訪問した。訪問中、チン首相は、両国の首脳や国際機関幹部ら20回以上もの会談を行い、ベトナムがパートナーとなる国や地域との関係をさらに深める決意であることを顕示した。また、チン首相の訪日も、日本とベトナムの広範な戦略的パートナーシップを強化し、統合する上でも重要だった。

ベトナム国会のブオン・ディン・フエ議長の欧州訪問は、EUおよび加盟国との協力の促進に貢献した。

これら国家首脳陣による海外歴訪は、予想をはるかに超える成功を納め、これらの成果は両国・地域間で発表された声明や発表文書、締結された協力協定の内容などに明確に反映された。

◇多国間の外交を加速化
第13回国民党大会はまた、多国間外交の役割をさらに強化し、ベトナムの国家と国民の利益と国際社会の共通の利益のために、多国間機関の構築と形成に積極的に貢献する必要性を強調した。

例えば、今年国連総会第76回総会(UNGA 76)の開会式で演説したフック国家主席は、国際連合の活動に積極的に取り組み、責任ある効果的な貢献をし、ダイナミックで革新的で繁栄を目指すなどとして、国際平和を愛するベトナム像をアピオールする強いメッセージを発信したという。演説は称賛を集めた。UNGA出席の傍らで、フック国家主席は各国や国際機関の首脳らと会談し、効果的な関係発展の促進について実践的な措置を議論した。

スイスへの出張中、フック大統領は、ジュネーブにある国連事務所や世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、世界知的所有権機関(WIPO)の首脳と会談した。ベトナムの国家指導者がジュネーブでこれほどたくさんの国際機関訪問を行ったのは初めて。今年1年間、ベトナムは国連安全保障理事会の常任理事国としての任務を果たした

11月にはファム・ミン・チン首相が、英国グラスゴーで開催された第26回に国連気候変動会議(COP26)の開会式に出席。気候変動対応に対する国際社会の対応を約束するというベトナム政府の決意を示したものとなった。