国境での通関手続き停滞、早期解決を コロナ対策など中国側と協議

ベトナム北部と中国との間の国境検問所で、貨物などの通関手続きの混雑と停滞は、長年にわたり対中貿易の大きな妨げとなっていた。新型コロナウイルスの感染拡大によって、その状況はさらに悪化しており、問題解決にはさまざまな要因を動悸的に解決することが必要になっている。

◇公式貿易への全面移行
農産物の収穫シーズンになると、貿易省らは国境検問所で商品を貿易仲介業者に売るために国境検問所に商品を持ち込むが、商工省傘下の外国貿易局、チャン・タイン・ハイ副局長は、「その数はピーク時期には1カ所に貨物トラックが1日最大800〜1000台集まり、その結果、渋滞が起きている」と話す。

この停滞と混雑は、中国がこのほど、輸出用に食品を製造するすべての外国企業に対して、中国税関当局に登録を命じたことによって悪化。中越の国境地帯では慣例上、多くの非公式貿易が展開されており、複数の非公式の国境検問所が設けられていたが、これらが閉鎖と決まったのだ。

現在、ベトナムと中国との国境検問所で計76の通関ゲートがあり、このうち7つが大規模な国際検問所、6つはベトナムの国が運営するゲート。中国との貿易はこのうち、法的契約を有する公的輸出で行うこととされた。これらは売り手と買い手の間で厳格な条件を定めている。一方で、副次的な国境ゲートを通じた輸出や法的契約のない輸出は、非公式の輸出とみなされる。

ベトナム国内での新型コロナ感染者数の数が増えたことを理由に、中国側は、国境の緩衝地帯での特殊車両の使用を停止するよう求めるようになり、通関できる商品の大幅減少につながった。今年1月にも、出荷の最盛期を迎えたドラゴンフルーツの出荷が停滞し、中越で対応を協議する事態となっていた。

北部地域の各省は、各地の貨物トラックに対して、国境に来ないよう勧めているが、情報の伝達が不十分なことも手伝い、農産物の販売業者らは検問所に向けて農産物を持ち込み続けており、渋滞を引き起こしているというのが現状だ。

◇安全な輸出ルート確保を
このほど、国境付近での混雑を解決するために、グエン・ホン・ディエン商工相は、ベトナム北部山間部のランソン省のフー・ギー国境検問所を視察した。商工省はファム・ミン・チン首相に対し、コロナ感染を防ぐための緩衝地帯を設ける「グリーンゾーン・モデル」の実施を提案。ランソン省、クアンニン省、カオバン省とラオカイ省の人民委員会が、検問所の手前にトラックの待機場所を用意するという。積み荷や乗り物はこのエリア内で消毒され、運転手はベトナムと中国当局両社の調整のもと、新型コロナのPCR検査を受けることになる。

このような動きに伴い、貿易会社などの企業は、生産から包装までの過程の安全確保を強化する必要がある。一方、長距離トラックの運転手らは、感染予防策と貨物などの管理措置遵守を徹底しなければならない。さらに国は、国境を有する各省に、新型コロナの感染防止と管理対策の徹底を図るために、検査や監督の体制の強化を要請していく考えだという。

商工省は、中長期的な施策として、中国当局と協力して混雑している現状を克服したうえで、通関の効率を高めていくという。同時に、これまで慣例的に行われていた非正規ルートを通じた正式な輸出業者が、正式手順を踏んだ公式貿易へと移行することを奨励していく。

国境をもつ各省の人民委員会では、新型コロナウイルスの感染拡大と管理措置を強化、中越の双方が通関活動を完全回復できるようつとめる一方で、地方自治体に対して、変化に迅速に対応するために、最新の情報に注意を払うよう指示していく。