ベトナム郵便通信公社(VNPT)傘下の通信大手ビナフォンは4日、通信衛星を利用した新しい携帯電話サービス「ビナフォンS」の提供を開始した。これにより、携帯電話の通信網が、ベトナムの全領土・領海と世界140カ国・地域に拡大された。

写真㊤=記念式典には、グエン・スァン・フック首相(中央)も出席。サービス開始のボタンを押し、注目度の高さを印象付けた。
新サービスでは、通信衛星の利用により、サービスエリアが大幅に拡大した。世界の3分の2に相当する、ベトナムを含む140の国と地域でもモバイル通信が利用できるようになり、利用者の利便性がアップする。利用者は、ビナフォンSに登録し、後払いのビナフォン・シムカードを使うことによって、いつでもどこでも、天候や地理などの影響を受けることなく通話や通信ができるようになる。衛星を使った位置特定(GPS)も活用できる。

VNPTのファム・ドック・ロン社長は、「以前のGSMシステムでは、陸から70キロメートル以内の範囲の領海しかつながらなかったが、今回のビナフォンSはベトナムの領土・領海を100%カバーしている」と自信を見せ、「ベトナムの通信発展にとって先駆的な第一歩となる」と話した。

記念式典に出席したフック首相は、「ベトナムの地形は山林や海、島などがあり複雑だが、通信や情報伝達を改善するVNPTの努力とサービスに誇りを感じる。同社は重要な社会責任を果たしている」と話した。

ビナフォンは、このサービス導入に先立って、ホーチミン市とメコンデルタ地方のキエンザン省フーコック島で、第4世代移動通信システム(4G)サービスの提供を試験的に開始している。