旧正月「テト」を祝う、ベトナムのおせち料理

日本と同様に、ベトナムの「テト」(旧正月)には「おせち料理」を食べます。北部、南部、中部ではそれぞれ料理が違いますが、欠かせない食べ物があります

今回は、北部のテトの料理をご紹介します。北部のおせち料理は少なくとも7、8種類のメニューがあり、美味しさ、飾りつけに対するこだわりは中部、南部より強いと思います。

基本的には、次のようなメニューです。

まずは、「バインチュン」(bánh trưng)、「ベトナムのちまき」です。もち米で作った皮に、青い豆と豚肉が入っています。特別な葉の「ラドン」(lá dong)で包み、12時間くらい蒸します。

「煮込んだお肉の冷やしゼリー」(thịt đông)です。これも多くの家庭で欠かせない料理の一つです。鶏肉や豚肉を調味料と一緒に煮込み、容器に入れて冷蔵庫で冷やします。

お肉の冷やしゼリーやバインチュンと一緒に食べるのは「太ネギの漬物」(hành muối) 。テトの2週間くらい前から水と酢、砂糖で漬けます。この漬物の太いネギを食べると、テトの料理に飽きることがなくなります。

次は「茹でた鶏肉」 (thịt gà luộc)です。ベトナムではテトの料理として欠かせない一品です。比較的簡単に作ることが出来ますが、鶏肉の自然な甘みとレモンの葉の味が合わさり、忘れられない味になります。

「キノコスープ」 (canh măng) もおせち料理の定番。乾燥させたキノコを柔らかく煮て、さらに豚足と一緒に煮込みます。味も格別ですが香りも素晴らしい料理です。

野菜も美味しく頂きます。テトの時期は野菜の種類が豊富で、とても美味しいです。野菜を使った料理は大変、好まれます。他には、「揚げ春巻き」(nem rán)、「おこわ」(xôi)、「ハム」(giò)も伝統的な作り方で調理されます。
ご紹介した料理がすべて揃って、テトの代表的な料理になります。