ベトナム南部、バリアブンタウ省沖のトーチャン第3油田(ホワイトラビット油田)で5月7日、予定より約2週間早く掘削が始まり、同油田で初めての石油が抽出された。事業を展開する国営ベトナム石油ガスグループ(ペトロベトナム)とロシアとの合弁会社、ベトソフペトロが発表した。

プロジェクトは、ペトロベトナムと、ロシアの国営石油会社、ザルベージュネフチとの合弁会社として設立されたベトソフペトロが運営。ベトナム語では「Tho Trang(トーチャン)3」と呼ばれるこの油田の原油生産量は、当初は1日あたり164トンになると見込まれている。
ベトナム南部のバリアブンタウ省、クーロン湾内に設置された掘削用プラットホームは、デザインや設計、製造から施工、試験運用などを、一貫してベトナム企業が実施してきた点が注目されていた。
トーチャン第3油田には、12カ所の油井があり、1日で最大約3000トンの原油掘削と、約150立方メートルの天然ガス抽出の能力がある。
ベトソフペトロでは、同社が2017年の目標としている年間計約500万トンの原油産出量を達成して、今後もその掘削量を維持していくためには、新規プロジェクトへの投資が必要と判断。石油リグの開発や新規設置に資金を充当させており、新しい掘削施設の早期稼働を図ってきた。トーチャン第3油田の石油掘削リグも、完成したのは2016年8月で、設置から1年に満たない早さでの石油産出が実現した。
当初、掘削は5月20日に開始する予定だったが、準備が順調に進んだため、前倒しで産出に踏み切ったという。