ハノイのティエンフォン銀行(TPバンク)がこのほど、ベトナムで初となる自動化銀行サービス「Live Bank」の提供が開始された。ベトナムの伝統的な金融業に大きな変革をもたらし、電子決済の利用が加速すると期待されている。

写真㊤=ハノイ市バット・スー通りに開業した「Live Bank」の拠点

システムは、米国やシンガポールなどで利用されている、最新の銀行自動化(オートバンキング)システムを応用したものだ。従来の銀行の現金自動預払機のオンラインシステムに画像による案内機能などを付加し、顧客の利便性を図った。取引をボタンで選択後、画像を使って取引終了まで詳しい案内が表示される。これにより、機械操作に慣れていない顧客でも、銀行員が対応する窓口同様に、安心して決済を行うことができる。

システムは最新技術の適用により、週7日、24時間のサービス提供が可能で、従来の金融モデルと比べて取引時間が約40%短縮されるメリットがある。さらに、顧客の決済取引などのセキュリティも高まるという。

ここでは、口座からの現金引き出しや残高照会、払い込みなどの通常の銀行取引に加え、振り込みや公共料金などの払い込み、電子決済での支払いなどができるほか、各種照会や定期預金などのサービスの登録なども行うことができるという。将来的には電子銀行システムとの統合により、さらにサービスの幅を拡大するという。

「Live Bank」の拠点は、ハノイ市内ではラング・ホア工業団地とバット・スー通り54番地の2カ所に設置された。また、ホーチミン市にも2カ所(5区のフンヴォン・プラザとタンビン地区チュオンソン通りのハイオウビル)開設した。

TPバンクのグエン・フン支配人は「Live Bankの開発には時間がかかったが、顧客にとって利便性が高く、親しみやすく、安全なシステムに仕上がった。ベトナム社会に電子決済が広がる一助としたい」と期待を示した。

今後、同銀行ではLive Bankのシステム拡大を図り、今年中に全国に50カ所の拠点を設けて顧客ニーズに対応していく考えだ。