伸びる航空需要、空港に負荷 新たなインフラ整備必要

航空需要が急増するなか、航空インフラ整備のための投資をテーマにしたセミナーがこのほどハノイで開かれた。交通運輸省計画投資局のグエン・アン・ズアン・副ディレクターは「空港のいくつかは、許容量をオーバーしている」と訴えた。

写真㊤=急速な空の輸送の発展で、空港施設のインフラに負荷がかかっている

ベトナムの航空需要の成長率は非常に高く、2011年から19年、20年にかけては年平均16~18%の成長率で推移。急速な成長によって、空港設備に負荷がかかっている。

ベトナムで現在稼働している22空港のうち21が国営。クアンニン省のバンドン国際空港のみが国営ではなく、官民連携のPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)で運営されている。これらの空港は11~19年にわたって年間利用者9500万人のキャパシティーを想定して整備されてきた。しかし、新型コロナウイルス流行前の19年には、年間利用者が1億1600万人に達していた。

ズアン氏は「タンソンニャット国際空港やノイバイ国際空港、カムラン国際空港、ダナン国際空港といったハブ空港を中心に、空港のインフラが容量超過になっている」と指摘。バンドン国際空港の前ディレクター、ファム・ゴック・ソウ氏も「現在、年間の利用者が約1億人に達している」と話す。

ベトナムの航空産業の成長率は非常に高く、年間成長率が17-20%に達する世界5カ国のうちの一つだ。国の最新計画によると、空港利用者は30年までに2.7倍の2億7900万人になると予想されている。

ソウ氏は「このスピードからすると、海外からの訪問客も3~5年で倍になるだろう。もし、来年か再来年に解決策を打ち出し、27~28年に実行するができなければ、空港への負荷の高い状態がさらに続くことになるだろう」と警鐘を鳴らした。