世界的な新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、果物や野菜の輸出は、早くも回復傾向にある。上半期の輸出額は中国向けの輸出が減ったために前年同期比12.2%減の17億9000万ドルとなったものの、タイや韓国、米国などへの輸出は大きく伸びているという。

農業農村開発省の下にある農産物加工・市場開拓局は、1~5月のタイへの野菜や果物の輸出は、前年同期比233.4%増え、輸出額は6800万ドルにのぼったと発表した。また、韓国への輸出は 6740万ドル(前年同期比21.8%増)、 米国向けが6200万ドル(同6.1%増)、日本5770万ドル(同15.5%増)だった。欧州では、オランダへの輸出が9%増え、3400万ドルとなった。

一方で、最大の輸出相手国だった対中国輸出は、前年同期と比べて29.1%減と大きく額を減らし、1~5月の対中輸出額は9億610万ドルだった。

農産物別にみると、今年はライチが輸出額に大きく寄与したという。最も多い輸出先の中国のほか、米国や日本に輸出された。このうち50トンは世界的な農作物認証Global GAP の基準に適合するものだったという。

一方、韓国向けには、バナナの輸出が始まり、韓国のロッテ系スーパーマーケットで販売が始まっている。インド市場では、ベトナム産ドラゴンフルーツやライチ、ランブータンなどが好調だ。

欧州連合(EU)との間では、8月1日にEUとの自由貿易協定(EVFTA)が発効する予定で、下半期の輸出増が期待される。グエン・コック・トアン農産物加工・市場開拓局長はこの好機をものにするために、農家らに技術面や品質での課題克服を求めた。